側波帯(読み)ソクハタイ(その他表記)side band

翻訳|side band

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改訂新版 世界大百科事典 「側波帯」の意味・わかりやすい解説

側波帯 (そくはたい)
side band

変調を受けた搬送波は,搬送波周波数の近傍の周波数成分をもつ。この成分を側波帯または側帯波という。例えば,角周波数ωcの搬送波に角周波数pの変調信号振幅変調をかけると,変調された搬送波は次のようになる。

第1項は,変調を受けないときの搬送波そのものである。第2項は上側波帯,第3項は下側波帯という。変調信号の情報は側波帯に含まれており,通信をするにはこれを伝送する必要がある。変調方式により側波帯も異なり,角度変調では,無限に広がる側波帯を生ずる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「側波帯」の意味・わかりやすい解説

側波帯
そくはたい
side band

無線通信において搬送波を変調するとき、スペクトラムの上で搬送波の両側に発生する電波の周波数成分。信号伝達のための主要な役割を担うもので、搬送波の周波数よりも高い成分を上(じょう)側波帯、低い成分を下(か)側波帯とよぶ。上側波帯の上限の周波数から下側波帯の下限の周波数までの幅を占有周波数帯幅というが、その許容範囲は電波法および無線設備規則に、無線局の種類、電波の型式に従って細目が定められている。信号の変化に応じて変化する部分が側波帯であって、振幅変調、周波数変調のいずれにも存在する。振幅変調の側波帯の広がりは信号成分に含まれているもっとも高い周波数の2倍になり、周波数変調や位相変調では、ほぼこの数字に変調指数を乗じた値となる。

石島 巖]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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