傍題(読み)ボウダイ

デジタル大辞泉 「傍題」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐だい〔バウ‐〕【傍題】

《古くは「ほうだい」か》
主な標題に添えて補足的につけられた題。副題サブタイトル
和歌連歌俳諧で、題として主に詠むべきものからはずれて、他のものを詠むこと。やまいとして嫌う。
「明月の題を得て、中秋の月を作せば―ならん」〈去来抄・故実〉
[類語](1副題サブタイトル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「傍題」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐だいバウ‥【傍題】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 和歌・連歌・俳句で、病(やまい)として嫌う一種の体。ある題で主として詠むべき事物をさしおいて、題に添えた事物を中心として詠むこと。また、両者を同一の位置において詠むもの。
    1. [初出の実例]「そもそも傍題はよまぬことなりとや申す人もあれど」(出典:仁安二年八月太皇太后宮亮経盛歌合(1167))
  3. 歌などで、数多く詠む中に同じ事のあること。
    1. [初出の実例]「歌の傍題と申す事は、〈略〉又歌かずをよむに同事のあるをも傍題と申すなり」(出典:近来風体(1387))
  4. ( から転じて ) 本題をはずれること。目的がずれること。
    1. [初出の実例]「すこし傍題(ハウダイ)にはなるが」(出典滑稽本・八笑人(1820‐49)四)
  5. 書物論文などの副表題。副題。サブタイトル。
    1. [初出の実例]「この作品には、『ある精神的風景画』と云ふ傍題がそへられてある」(出典:敗北の文学(1929)〈宮本顕治〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android