デジタル大辞泉
「傾城買四十八手」の意味・読み・例文・類語
けいせいかいしじゅうはって〔ケイセイかひシジフハツて〕【傾城買四十八手】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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けいせいかいしじゅうはって‥かひシジフハッて【傾城買四十八手】
- 洒落本。一巻一冊。山東京伝作・画。寛政二年(一七九〇)刊。客と遊女との恋の手管を、「しっぽりとした手」「やすい手」「見ぬかれた手」「そはそはする手」「真の手」に分けて描く。軽妙な会話のはこびの中に遊びの諸相を的確にとらえ、京伝独特の精細な筆致が十分に生かされている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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傾城買四十八手 (けいせいかいしじゅうはって)
洒落本。1冊。山東京伝作画。1790年(寛政2)刊。〈しつぽりとした手〉〈やすひ手〉〈見ぬかれた手〉〈真(しん)の手〉から成る。吉原の大見世・小見世の,さまざまの職業や性格の遊客と,それぞれ異なる地位の遊女との閨房における会話を描いて評を加える。遊びの手練手管(てれんてくだ)の種々相を示すことを表に掲げて,その内面の心理感情を冷ややかにしんらつに,また温かく見つめる。作者の遊里における人間の観察の鋭さと愛情を思わせるものがあり,京伝のみならず,洒落本の代表的傑作である。本作の構成と描写,とくに〈真の手〉のそれは,後の作者たちに大きな影響を与えた。
執筆者:水野 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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傾城買四十八手
けいせいかいしじゅうはって
洒落本。山東京伝作,画。1冊。寛政2 (1790) 年刊。傾城買いの種々の手を示す形で「しっぽりとした手」「やすひ手」「見ぬかれた手」「真の手」の各章をおき,遊女と客のさまざまなタイプによる交渉を描く。単なる「うがち」から心理描写に転じつつある点で,京伝洒落本の代表作。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の傾城買四十八手の言及
【傾城買二筋道】より
…〈夏の床〉では,浮気でうぬぼれの色男が結局遊女に愛想づかしをされることを,〈冬の床〉では,嫌われていた醜い中年男の誠実がついに女の心をとらえる次第を,それぞれ描く。山東京伝の《[傾城買四十八手]》の描写方法を踏襲しているが,両章を通じて誠実な真情の尊さを強調するところに意図があり,〈冬の床〉の主人公文里(ぶんり)には,洒落本における新しい通人の造型が見られる。やがて二編《廓(さと)の癖》(1799),三編《宵の程》(1800)と継がれて長編化し,[人情本]にいたる道をひらくいとぐちともなった。…
※「傾城買四十八手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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