日本歴史地名大系 「児玉町」の解説 児玉町こだままち 埼玉県:児玉郡児玉町面積:五二・九三平方キロ児玉郡の中・南部に位置し、北は上里(かみさと)町・本庄市、東は美里(みさと)町、南は秩父郡長瀞(ながとろ)町・皆野(みなの)町、西は神泉(かみいずみ)村・神川(かみかわ)町。町域南部に山地が連なり、陣見(じんみ)山(五三一メートル)・不動(ふどう)山(五四九・二メートル)などが並ぶ。この山地の榎(えのき)峠・間瀬(まぜ)峠・出牛(じうし)峠を越えて、長瀞町へ通じる道がある。皆野町地内の山地に発する小山(こやま)川は当町南端の大駄(おおだ)から町域中・東部を北東流して美里町に入るが、中世から近年にかけては身馴(みなれ)川とよばれた。国道二五四号とJR八高線が美里町から当町のほぼ中心を通過して神川町に至り、町域北端に関越自動車道の本庄・児玉インターチェンジがある。縄文時代中期の賀家上(がけのうえ)遺跡と峯別所(みねべつしよ)遺跡をはじめ、弥生時代の集落、方形周溝墓などを含む数多くの遺跡が知られている。県下最古の古墳(四世紀中葉)である下浅見(しもあざみ)の前方後方墳鷺山(さぎやま)古墳や生野山(なまのやま)古墳群・秋山(あきやま)古墳群などのほか、蛭川(ひるがわ)・八幡山(はちまんやま)の埴輪窯跡など古墳時代の遺跡も各所にみられる。古代には那珂(なか)郡中沢(なかさわ)郷(和名抄)に比定される秋山・小平(こだいら)地区を除き、当町域は児玉郡に所属したとみられる。北部は九郷(くごう)用水の水系にあたり、かつては律令制下の条里遺構が吉田林(きたばやし)・入浅見(いりあざみ)・下浅見・上真下(かみましも)・下真下・蛭川などの水田地帯にみられた。古代末期に現れた児玉党の根拠地で、その本流および分流諸氏である児玉・塩谷・蛭川・真下・阿佐美などの名字の地がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by