全日本農民組合の略称。
日本農民党系の中間派農民組合の全国組織。1926年労働農民党が分裂して日本労農党が結成されると,日本農民組合は左派と中間派が対立して第2次分裂を招き,翌27年3月,中間派は全日本農民組合(会長杉山元治郎)を結成した。群馬,山形,大阪,兵庫などが拠点であり,秋田県小坂町,新潟県王寺川村王番田などの下部組織は強力で,激しい小作争議を展開した。28年5月には日農と再統一,全国農民組合(全農)となった。
右派農民組合の全国組織。1928年の農民組合再統一の気運から離脱した全日本農民組合同盟が主体となり,中部農民組合,蒲原農民組合,庄内耕作連盟,香川県農民組合が合同して28年7月に結成された。しかし,すぐさま内部分裂を繰り返し,31年1月には日本農民組合総同盟と合同して日本農民組合を結成した。
戦後1947年に結成された日本自由党支持の農民組合。地主・自作・小作の階級協調と都市との協力をうたい,階級闘争を排除した健全農村の建設を主張した。日本社会党支持の全国農民組合に対抗したが,組織的力量はほとんどなく自然消滅した。
執筆者:大門 正克
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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