デジタル大辞泉 「八宗兼学」の意味・読み・例文・類語 はっしゅう‐けんがく【八宗兼学】 1 八宗の教義をすべて兼ね修めること。2 物事に広く通じていること。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「八宗兼学」の意味・読み・例文・類語 はっしゅう‐けんがく【八宗兼学】 〘 名詞 〙① 仏語。八宗の教義を、すべて兼ね修めること。古く、奈良東大寺がその道場であり、僧侶たちは、華厳宗(けごんしゅう)・三論宗と合わせて諸宗を学んでいた。[初出の実例]「八宗兼学之仏法不二陵夷一」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)供養篇本)② 広く物事に通じていること。[初出の実例]「八宗見学(ハッシウケンガク)、女色一遍上人の進めに、女良買は抑より、太夫にかかるがよし」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「八宗兼学」の意味・わかりやすい解説 八宗兼学はっしゅうけんがく 仏教の八宗の学問を兼ね修めること。八宗とは、南都六宗、すなわち倶舎(くしゃ)宗、成実(じょうじつ)宗、律(りつ)宗、法相(ほっそう)宗、三論(さんろん)宗、華厳(けごん)宗に、平安時代に成立した天台・真言(しんごん)両宗を加える。実践的な一向専修(いっこうせんじゅ)の立場に対し、広く諸宗の教学に通暁することが、日本の学僧たちの一つの理想であった。とくに南都東大寺は古くから諸宗兼学の道場として知られ、鎌倉時代に『八宗綱要』などを著した凝然(ぎょうねん)は、その精神をもっともよく体現した学者として知られる。[末木文美士] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の八宗兼学の言及 【八宗】より …奈良時代には〈宗〉は〈衆〉とも書き,学派を意味し,一つの寺に複数の宗が存在したが,平安時代からは一寺一宗となる傾向がつよく,しだいに教派教団の意味をもちだした。禅・浄土を加えて九宗・十宗といい,また広く各宗の教学を研鑽することを八宗兼学という。【中井 真孝】。… ※「八宗兼学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by