八文字屋(読み)ハチモンジヤ

デジタル大辞泉 「八文字屋」の意味・読み・例文・類語

はちもんじ‐や【八文字屋】

江戸時代京都書店元禄(1688~1704)から明和年間(1764~1772)にかけて、浄瑠璃本歌舞伎狂言本・浮世草子などを出版

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精選版 日本国語大辞典 「八文字屋」の意味・読み・例文・類語

はちもんじ‐や【八文字屋】

  1. [ 一 ] 江戸時代、京都の版元屋号。慶安年間(一六四八‐五二開店主人代々、安藤八左衛門を名のり、現中京区麩屋町(ふやちょう)通六角下ルに住んだ。はじめ浄瑠璃本を出していたが、初代自笑のとき、歌舞伎狂言本、役者評判記を出し、さらに浮世草子を出版して八文字屋本を流行させた。文化八年(一八一一廃業
  2. [ 二 ] 京都島原揚屋町にあった揚屋、八文字屋喜右衛門の店。
    1. [初出の実例]「八文字屋に行きて、ある者千人でも呼と申せど、紋日の事なれば名所は一人もなし」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)八)

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世界大百科事典(旧版)内の八文字屋の言及

【古今役者大全】より

…中心となった作者は多田南嶺。撰者として八文字屋其笑,八文字屋瑞笑の名が記される。1750年(寛延3)刊,6巻6冊。…

【八文字屋八左衛門】より

…筆名八文字自笑(じしよう)。八文字屋は1650年(慶安3)前後開業の浄瑠璃本屋で,代々八左衛門を称し,自笑はその2代目。80年代の末に家業を継ぎ,絵入狂言本の刊行をはじめ,江島其磧(きせき)を作者に99年刊《役者口三味線》以後役者評判記を,1701年刊《けいせい色三味線》以後浮世草子をと業務を拡張,評判記は幕末まで踏襲される形式を確立し,浮世草子は一時波乱はあったが20年ころより第一の出版元となる。…

※「八文字屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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