改訂新版 世界大百科事典 「六一〇万歳運動」の意味・わかりやすい解説 六・一〇万歳運動 (ろくじゅうばんざいうんどう) 1926年6月10日,朝鮮の李朝最後の王純宗の葬儀に際して行われた独立示威運動。1925年に結成された朝鮮共産党は純宗の葬儀を機会に民族解放の声をあげることを計画,学生や天道教徒に呼びかけて準備を進めたが,直前に発覚,共産党は弾圧された。しかし検挙を逃れた学生らは6月10日当日,ソウル市内各所で〈独立万歳〉を叫んで官憲と衝突,共産党と連絡をもたない学生による示威も行われ約200名が逮捕された。地方には波及しなかったが,20年代半ばの民族解放運動として,特に共産党が民族統一戦線を組もうとした点で重要である。執筆者:水野 直樹 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六一〇万歳運動」の意味・わかりやすい解説 六・一〇万歳運動ろく・いちれいばんざいうんどう 朝鮮で,1926年李朝最後の国王純宗の葬儀を期して起された反日デモ。計画は権五か (ごんごか) らの火曜会系共産主義者によって立案されたが,参加者は学生を中心に多岐にわたった。同年6月 10日,国王の棺がソウル市内鐘路にさしかかると「朝鮮共産党万歳」「独立万歳」が叫ばれた。この事件は 19年の三・一運動の復活を意図したものであったが,これに続く民衆蜂起は実現しなかった。またこれによって共産主義運動における火曜会の指導権はほぼ壊滅した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「六一〇万歳運動」の意味・わかりやすい解説 六・一〇万歳運動ろくじゅうばんざいうんどう 1926年6月10日、朝鮮で展開された反日示威運動。李(り)氏朝鮮王朝の最後の国王純宗の葬儀を期して、朝鮮共産党(1925結成)、学生、天道教徒らにより反日デモの計画が進められた。計画は事前に発覚し、共産党員多数が検挙されたが、葬儀当日、ソウル各所で学生らが「独立万歳」を叫びデモを行って約200人が逮捕された。三・一独立運動ほどの規模にはならなかったが、共産党が民族統一戦線を目ざした点で朝鮮の民族解放運動史上重要なものである。[水野直樹] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by