ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 典型的ネアンデルタール人てんけいてきネアンデルタールじんclassic Neanderthal 古典的ネアンデルタール人ともいう。 1856年ジュッセルドルフのネアンデル峡谷 (タール) で発見されて以来,ヨーロッパ各地で数多く発見された一群の化石人類。中期旧石器時代のムスティエ文化をもち,第4氷期に属する。背は高くないが頑強であり,頭蓋は大きいが低い。また眼窩上隆起が著しく発達し,頤 (おとがい) がないなど,ネアンデルタール人の一連の特徴を強くもち,ヨーロッパ以外の地域で第3間氷期から第4氷期まで生息していた,いわゆる進歩的ネアンデルタール人と区別される。この典型的ネアンデルタール人が全体としてクロマニヨン人のような化石現生人類に変化したのか,それとも,多くは絶滅してしまい,進歩的ネアンデルタール人が現生人類の祖先なのかは,大きな議論となっているが,結論は出ていない。 (→旧人類 ) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by