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旧人類 きゅうじんるいPalaeoanthropic man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

旧人類
きゅうじんるい
Palaeoanthropic man

旧人ともいう。ヒトの進化を4段階 (猿人,原人,旧人,新人) に分けた場合の段階の一つ。広義のネアンデルタール人類と同義と考えてよい。これまでヨーロッパ各地,アフリカ,アジアの一部からその化石が多数発見されている。 1856年ドイツのネアンデル峡谷 (タール) で初めてその頭骨と四肢骨の一部が発見されて大きな話題を呼んだが,72年,当時病理学の権威といわれた R.ウィルヒョーが,頭骨の特殊性は疾病の結果とも考えられるから1個体の人骨から原始的な一人種を想定するのはよくないという意見を発表して以来,否定的な意見が強くなった。しかし 1901年にいたり,G.シュワルベの決定的な比較研究によって,彼らが旧世界に広く分布していた人類であることが認められるようになり,また M.ブールらによって,比較的に背が低く (約 155cm) ,脳頭蓋に比べ顔面部が発達しており,眼窩眉上隆起が発達して左右連続的な隆起をなし,外後頭隆起が著しく発達しているなど,その特徴も明らかにされた。しかしこの間,エーリングスドルフ,クラピナなどから発見された人骨は,これらの特徴をもってはいるがそれほど極端でなく,比較的現生人類 (新人) に近いことがわかり,しかも多くの旧人化石がウルム氷期第1期の地層から発見されるのに対して,これらはリス=ウルム間氷期に属することも明らかにされた。年代的に新しいものが進化的には古い年代のものより遅れていることで,ここにまた新たな問題が起ったわけであるが,ひとまず前者を特殊化したものとみなし,典型的,極限的,あるいは寒期のネアンデルタール人,後者を進歩的,非特殊化,あるいは暖期のネアンデルタール人などと呼ぶ呼称が生れた。また,パレスチナのカルメル山からは,前者の特質を多くもつものと後者の特質を多くもつものとが同時に発見されて,旧人類問題を一層複雑なものとした。ヒトの系統上における旧人の位置づけについては,問題の複雑さが反映されて多数の異見が出されているが,代表的なものをあげると,(1) ウルム氷期第1期が終った頃,別の形態から進化した現生人類に滅ぼされたものとする説。この時期を境にして旧人の化石は見当らなくなり,文化的にもムスティエ文化が終って後期旧石器時代に移行することなどがその論拠。 (2) 15万~3万年前の長期間にわたって全世界に分布し,しかも変異幅が大きかった。そして原人→旧人→新人という進化の道をたどったとする説。 (3) 寒期旧人は暖期旧人の特殊化したものでウルム氷期のなかばに絶滅し,暖期旧人のうちのあるものが新人へと進化して,現生人類の祖先となったとする説,などである。

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デジタル大辞泉の解説

きゅう‐じんるい〔キウ‐〕【旧人類】

従来通りの考え方や感じ方をする世代。新人類に対していう語。

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