日本大百科全書(ニッポニカ) 「内局・外局」の意味・わかりやすい解説
内局・外局
ないきょくがいきょく
国の行政機関である府(内閣府)・省に置かれる組織のうち、官房と局を内局(内部部局)といい、委員会と庁を外局という。内局は、その府・省の基本的な任務を担当する補助機関たる組織(例、財務省主計局、文部科学省初等中等教育局)である。内局の組織は政令で定められる。ただし、当分の間、官房および局の総数の最高限度は96と総量規制されている(2001年の中央省庁再編までは128)。
委員会および庁は府または省に置かれるが、それは補助機関ではなく、府または省と並ぶ国の行政機関として、その設置廃止は法律で定められる(国家行政組織法の別表第1)。その長は大臣と法定されている場合(金融庁、国家公安委員会等)と行政職公務員が任命される場合(文化庁、国税庁、社会保険庁、林野庁等)がある。なお、警察庁は、内閣府の外局である国家公安委員会の特別の機関であり、検察庁も法務省に属する特別の機関であって、外局ではない(同法8条の3)。委員会の内部には事務局・官房・部を、庁には官房・部(または局)を置く。それは政令で定められる。
外局は内局とは異なり、審議会や試験研究機関、作業施設等を置くことができる。各外局の長は、大臣に対して内閣府令・省令の制定請求をすることができるほか、大臣と同様に事務統括権、職員服務監督権、その所掌事務について告示、訓令・通達、命令などを発する権限、さらには職員の任命権(国家公務員法55条)を有する。委員会はおもに、大臣から独立に専門的な、政治的中立を要する職務を合議体で担当する。庁は、大量の、現業的な任務を処理する(国税庁、社会保険庁)か、内閣府に属するだけで一種のミニ省という役割を演ずるか(金融庁等)、省のなかの省といった一つのまとまった任務を担当する(特許庁、林野庁、食糧庁、水産庁等)。
[阿部泰隆]