検察官の行う事務を統括するところ。検察庁は、一般の行政機関とは異なり、多数の官庁(各検察官はそれぞれが官庁である)が組織化されたものであり、そのため検察庁自体は訴訟法上なんらの権限も有しない官署である。検察庁には、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁の4種がある(検察庁法1条)。最高検察庁は最高裁判所に、高等検察庁は各高等裁判所に、地方検察庁は各地方裁判所に、区検察庁は各簡易裁判所に、それぞれ対応して置かれる。さらに地方検察庁は各家庭裁判所にもそれぞれ対応する。最高検察庁の位置ならびに最高検察庁以外の検察庁の名称および位置は、政令で定められる。法務大臣は、必要と認めるときは、高等裁判所、地方裁判所または家庭裁判所の支部にそれぞれ対応して高等検察庁または地方検察庁の支部を設け、当該検察庁の事務の一部を取り扱わせることができる(同法2条)。「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令」(昭和22年政令第35号)によれば、2010年(平成22)時点で、最高検察庁は東京都に置かれ、高等検察庁には東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松各高等検察庁があり、地方検察庁には東京地方検察庁以下50庁があり、区検察庁には東京区検察庁以下438庁がある。また、やはり、2010年時点において、昭和23年法務庁令第1号によれば、高等検察庁には名古屋高等検察庁金沢支部、広島高等検察庁岡山支部、同松江支部、福岡高等検察庁宮崎支部、同那覇支部、仙台高等検察庁秋田支部が設けられ、地方検察庁支部設置規則(昭和22年司法省令第42号)によれば、地方検察庁には東京地方検察庁立川支部以下203支部が設けられている。
[内田一郎・田口守一]
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… 戦後,日本国憲法の制定に伴い,司法と行政との分離がより徹底され,司法大臣の監督下にあった裁判所が三権の一翼として独立し,検察と裁判が分離された。裁判所構成法に代えて裁判所法(1947公布)および検察庁法(1947公布)が制定され,検察庁法が現在の検察制度の基本法となるのである。
[現在の検察制度]
検察庁法によると,検察官は,検事総長,次長検事,検事長,検事および副検事の総称である。…
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