16世紀中期以降の室町幕府で,重要政務・訴訟の決裁について合議により将軍を補佐する有力奉公衆。訴訟担当奉行の判決原案や右筆方(ゆうひつかた)による意見状(いけんじょう)を将軍へ取り次ぎ,将軍と合議して裁決方針を決定し,奉行人に指令した。成立は細川高国政権の崩壊によって将軍足利義晴が近江に避難した1530年代とされ,幕府滅亡まで継続したとの見方もある。その構成や位置から,将軍の奏者である申次(もうしつぎ)を媒介として訴訟指揮を行う制度から発達したと考えられる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…4代義持の時代にははっきりその形を現さないが,6代義教は義満の制にならって御前沙汰を行い,以後幕府の最高評議の場となった。応仁の乱後10代義材(よしき)(後に義稙(よしたね))のころからは,会議には将軍は臨席せず,殿中申次と呼ばれる側近衆が会議の結論を持って将軍の下に参じ,裁可を仰ぐように変わり,12代義晴のころには,この側近衆を内談衆(内談方)と呼んでいる。【桑山 浩然】。…
…室町幕府において,引付方,侍所,政所(まんどころ),問注所,地方(じかた)などの各部局内会議のことを内談と称した。中でも,所領問題についての裁判機関である引付方の内談は重要で,引付衆のことを内談衆とも呼んだ。内談の次第は,15世紀後半に著作されたとみられる《武政軌範》に見える。…
※「内談衆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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