内豎(読み)ナイジュ

デジタル大辞泉 「内豎」の意味・読み・例文・類語

ない‐じゅ【内×豎】

古代中国、代の官名宮中雑役に服したわらべ
奈良平安時代、宮中の行事日常雑事処理に召し使われた者。少年が多い。

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精選版 日本国語大辞典 「内豎」の意味・読み・例文・類語

ない‐じゅ【内豎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国、周代の官名。天官に属し、宮中に仕えて雑役に服するわらべ。〔周礼‐天官・内豎〕
  3. 宮中の諸行事、および日常の雑事の処理に召し使われた者。少年が多いが成年者の場合もある。奈良時代に置かれ、その後名称・所属に改廃変遷があったが、平安中期以降、内豎所(ないじゅどころ)の管轄下にある。ちいさわらわ。内供奉豎子(ないぐぶじゅし)。ないじゅう。
    1. [初出の実例]「内竪淡海真人三船」(出典:続日本紀‐天平勝宝八年(756)五月癸亥)
  4. 内豎所(ないじゅどころ)の略。助詞「の」を介して官名を示すことが多い。
    1. [初出の実例]「以従四位上日下部宿禰子麻呂内竪員外大輔」(出典:続日本紀‐神護景雲元年(767)九月甲子)

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普及版 字通 「内豎」の読み・字形・画数・意味

【内豎】ないじゆ

小臣

字通「内」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の内豎の言及

【絵所】より

…これら御書所に近接した絵所の配置は,律令の伝統,さらにさかのぼって中国唐代の官制として知られる修賢院書院と直院・画直からの影響が推測される。さて,9世紀末にその存在が確認される宮廷の絵所は,《西宮記》によれば五位蔵人の別当と預(あずかり)などの官人のほかに,墨書(すみがき),内豎(ないじゆ),熟食(じゆくしよく)が加わった公的な絵画制作の機関であった。この職制のうち,預は絵画活動の事務責任者であったが,墨書は大勢の絵師のなかから画技の巧拙によって選抜された制作主任と考えられる。…

【宦官】より

…しかし歴史上,宦官の果たした役割が最も大きかった国として有名なのは中国である。 中国では宦官を寺人,奄人(えんじん),閹人(えんじん),浄身,中官,内豎(ないじゆ)などとも称し,またペルシア語を音訳して火者(ホゼ)ということもある。その起源は明らかでないが,周代にはすでに存在し,奴隷として王室その他身分ある家の奥向きに使用され,女官の監督や雑役に従事したが,君主のそば近く侍するために,春秋戦国時代から権力をぬすむ者が現れ,秦代には趙高が始皇帝の死後政治をみだした。…

※「内豎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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