出女(読み)デオンナ

デジタル大辞泉 「出女」の意味・読み・例文・類語

で‐おんな〔‐をんな〕【出女】

江戸時代各地宿場にいた客引き女。多く売春婦を兼ねた。
「―の面しろじろと見せて、講参りの通し馬を引き込み」〈浮・一代女・六〉
江戸時代、江戸から地方へ出ていく女。→鉄砲でっぽうに出女

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「出女」の意味・読み・例文・類語

で‐おんな‥をんな【出女】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 宿屋の客引きをする女。多くは売春を行なった。とめおんな。おじゃれ。
    1. [初出の実例]「出女のあまりよからぬ顔かたち 一夜なれてのりんきうるさし」(出典:俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)長抜書)
    2. 出女<b>①</b>〈百人女郎品定〉
      出女〈百人女郎品定〉
  3. 江戸時代、江戸から出ていく女。幕府大名統制上、江戸在住の大名の妻が帰国・逃亡するのを防ぐ意味で、江戸から関所を通過して地方に向かう女をこう呼んで、きびしく取り調べた。これを女改めといい、女子は女手形所持が必要であった。⇔入女
    1. [初出の実例]「右国々よりの出女は所々より出所極あり」(出典:地方凡例録(1794)一〇)

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世界大百科事典(旧版)内の出女の言及

【関所】より

…これは史料の性格や関所に対する認識の違いによるもので,《諸国御関所書付》によると〈重キ御関所〉26ヵ所,〈軽キ御関所〉28ヵ所の計54ヵ所であるが,このうち前者のみを幕府の関所とみなす論者もいる。 近世の関所の機能を端的に表現するものとして,〈入鉄砲に出女〉の言葉がある。それは関東内への諸大名等の鉄砲以下の武器潜入,江戸藩邸の大名妻子の国許への逃亡を監視することが主任務であったが,幕府の全国支配が貫徹するころには箱根関のように前者の検閲が若干緩和される例もみられた。…

※「出女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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