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売春 ばいしゅん prostitution

翻訳|prostitution

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

売春
ばいしゅん
prostitution

通常,配偶者や友人以外の個人を相手に,金品の即時受け取りと引き換えに性行為に従事すること。売春従事者は男女いずれの場合もあり,異性間もしくは同性間の性行為に従事する。ただし歴史的に売春従事者の大半は,男性を客とする女性である。

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デジタル大辞泉の解説

ばい‐しゅん【売春】

[名](スル)女性が報酬を得ることを目的として不特定の相手と性交すること。売淫。売色。売笑。

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百科事典マイペディアの解説

売春【ばいしゅん】

買売春

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世界大百科事典 第2版の解説

ばいしゅん【売春 prostitution】

一般に,双方の合意に基づき,金品を対価として不特定多数の相手との間に行われる,ある程度常習的な性的行為をいい,売色,売笑などとも称される。金品ではなく好意や愛顧を得ることを目的とするもの,また金品が対価とされても特定個人を相手にするものは,通常売春とはみなされない。ここにいう性的行為とは性交そのものを指し,類似の行為とは区別されることが多い。なお,金品の授受に主眼を置いた,常習でなく1回だけの行為でも売春が成立すると解されることもある。

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大辞林 第三版の解説

ばいしゅん【売春】

( 名 ) スル
女性が金品などの対価を受けて、男性と性交すること。売淫。売色。売笑。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

売春
ばいしゅん

対償を受け、不特定の相手に対して、性関係をもち性サービスを提供すること。具体的な売春の形態は、歴史とともに大きく変化している。[山手 茂]

世界の売春

もっとも古い形態は、寺院売春temple prostitutionである。古代インドでは、バヤデーレ(舞姫)が礼拝者に身をまかせたが、これは、上流階級の幼女が寺院に仕えて舞姫に育てられるデワダーシスと、下層の娘が職業舞姫にされるナーチュニとに分かれ、後者が売春を行った。古代エジプト、フェニキア、アッシリア、ペルシアなどにも同様な風習があった。古代ギリシアにおいては、売春の形態は多様化した。アテナイ(アテネ)には、文学や政治を論じる高級娼婦(しょうふ)ヘタイレ、主人夫婦に仕える妾(しょう)コンクビネス、比較的高級な売春婦アウレトリデス、下級売春婦ディクテリアデスなどがいた。下級売春婦は、アテナイ近郊の一郭に居住させられる公娼であった。これらの売春婦は、売買奴隷のほか、捕虜、さらわれた女子、市民の捨てた女子などからなっていた。東南アジアでも類似の記録がある。古代ローマにも、公娼と私娼があり、最盛期には男色が行われたり、売春婦が豪華な行列で練り歩いたり、共同浴場でマッサージを行う売春婦が現れたりしたといわれている。
 中世ヨーロッパでは、売春は非難されたが、現実には公娼売春制度は保護され、徴税された。十字軍遠征など戦争の際には、大規模な売春婦部隊が従軍した。また、農村経済の崩壊などのため生活困難に陥った女子は売春婦になり、国際的大市が開かれるライプツィヒ、フランクフルト、リヨンなどに集まった。宮廷では吟遊詩人たちが貴婦人たちに売春をしていた。
 近代に入ると、資本主義が発達するとともに売春が盛んになった。性が商品化され、生活困難な農民や労働者の娘は、需要に応じて売春婦になった。ロンドンの売春婦は、1777年には7万5000人であったが、1840年には16万人、1860年には30万人に増加したと推計されている。他方、15世紀末からコロンブス一行の水夫たちがアメリカ大陸からもち帰った性病(梅毒)が、ヨーロッパ各国に広がり社会問題化した。こうして、売春問題は、貧困問題と性道徳と性病との三重の問題として大きく取り上げられるようになった。
 売春問題に対する対策は、教会や国家によって行われてきたが、19世紀から20世紀にかけては、救世軍をはじめとするキリスト教団体や女性解放団体による宗教的、人道的な廃娼・売春防止運動が活発になり、各国で次々に売春禁止法が制定されてきた。しかしながら、「もぐり売春」は各国とも依然として行われていた。[山手 茂]
 売春は、世界各地で交易の拡大と植民地支配、軍事基地の設置とともに、時代を追って広がっていった。19世紀ヨーロッパにおける売春の急増もまた大都市および軍港周辺に集中していたが、第二次世界大戦を経て、とくに東アジアと東南アジア、南米では、駐留アメリカ軍将兵の需要に応じた「基地売春」が各地に共通の現象となった。近代化、あるいは中産階級の勃興と時期を同じくすることが多い売春防止の社会的気運も、東アジア、東南アジア、南米では、植民地支配から解放されて国際経済開発の潮流に巻き込まれる20世紀後半に、とくに目だっている。
 中東をはじめとするイスラム社会では、売春と認められる行為は聖典によって禁止されており、重い法的・宗教的罪を負う。[青山 薫]

日本の売春

日本においては、古代には神社の巫女(みこ)の売春、門前町の売春など、寺院売春が行われていた。また、『万葉集』にみられる遊行女婦(うかれめ)や、室津(むろつ)・神崎(かんざき)(兵庫県)など船着場の遊君など、旅行者を相手にした売春もあった。鎌倉時代には公娼制度が確立したといわれる。封建社会の確立に伴い、京都の島原、江戸の吉原などに遊廓(ゆうかく)が形成され、遊女(ゆうじょ)が公認された。遊女には階層があり、なかでも花魁(おいらん)は芸事と教養に秀で、公家や武家、豪商をおもな顧客とする高級遊女であった。私娼は禁止されたが、実際には夜発(やほち)、夜鷹(よたか)、辻君(つじぎみ)なども増加した。また、町芸者、湯女(ゆな)などの売春も行われた。街道筋の地方小都市では旅籠(はたご)屋の飯盛女(めしもりおんな)の売春が黙認されていた。
 明治維新ののち、1872年(明治5)娼妓(しょうぎ)解放令が出され、公娼は解放されるかにみえた。しかし、実際は自由営業の娼妓に場所を貸すという名目で遊廓は存続し、前借金、年季奉公によって拘束された売春が公然と行われ続けた。さらに、娼妓と一線を画していた芸妓の売春も一般化し、カフェーの女性従業員(「女給」とよばれた)や料理屋の雇仲居(やとな)にも売春が広がった。また、江戸時代から第二次世界大戦前まで、日本から当時貿易の拠点であったシンガポールなどへ売春に行った「からゆきさん」とよばれた売春婦がいた。第二次世界大戦中には、従軍「慰安婦」を戦地に送って日本軍将兵を対象に行わせる売春が組織された。「慰安婦」には植民地から強制連行された人が多く、軍票による対価は少額だったうえ戦後無価値になったなどの理由から、後に国連人権委員会United Nations Commission on Human Rights(UNHCR)によって「現代の奴隷制」の一形態であったと指摘されている。戦後には、日本国内で占領軍将兵向けの「慰安施設」がつくられ、戦争で夫を亡くした女性たちが多く働くことになった。[山手 茂・青山 薫]

売春の現状

日本では1956年(昭和31)5月に売春防止法が制定された。この法律の目的は、おもに公娼制度と人身売買の禁止、露出した街娼の取り締まり、売春を行うおそれのある女子の保護更生に置かれているので、「対償を受け、不特定の相手方と性交すること」を禁止してはいるものの、単に性行為によって対償を受ける単純売春や、個人がそのことによって生計を立てること自体に対しては罰則がない。また、「性交」の定義もない。このため、旧赤線区域(集娼地域)における公然とした娼家経営は消滅したが、現在でも風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年制定)によって認可された「性風俗産業」において、依然としてさまざまな形の売春=性サービスを供する営業行為が盛んに行われている。
 売春を行う者も、高校生、大学生、主婦など、幅広くなってきているといわれ、その動機も、好奇心や小遣い稼ぎから、孤独を紛らすため、学費や生活費をねん出するためなど多様化している。1990年代には、中学生、高校生など低年齢の女性の売春を「援助交際」と称する風潮や、若い男性にもホストなどの形態で売春が広がっていることが社会問題となった。
 他方、1980年代から1990年代にかけて、開発途上国から出稼ぎにきた女性の売春や、暴力団に搾取されている売春女性の存在が注目された。そこで、2003年(平成15)に発効した国連国際組織犯罪防止条約を補完する人身取引禁止議定書の批准も視野に入れた日本政府は、2005年に刑法を改正し人身取引罪を新設した。このことによって、売春防止が国際的な人身取引の側面からも図られるようになった。
 国際労働機関International Labour Organization(ILO)が2012年に発表した「強制労働に関する報告書」によると、世界中で約2100万人が自分の意思に反した労働を強要されており、そのうち450万人(22%)が性的搾取を強いられているという。[青山 薫]
 1980年ごろからは、アジア諸国への「買春(かいしゅん)ツアー」参加者が増加し、その多数を占める日本人男性が世界的に非難されていた。なかでも児童買春(子ども買春)はとくに問題視され、2000年の『世界人口白書』(国連人口基金United Nations Fund for Population Activities=UNFPA)によると、毎年200万人の女児が性産業で働かされていた。そこで、アジアへの観光客による児童買春の根絶を目的とした国際的な非政府組織(NGO)の活動が行われるようになった。1991年(平成3)から活動を開始した「アジア観光における子どもの買春を根絶するための国際キャンペーン」The International Campaign to End Child Prostitution in Asian Tourism(ECPAT(エクパット))には、2012年時点で世界70か国以上の団体が参加している。
 日本国内でも児童買春防止・取締り対策が進められるようになり、1999年5月には児童買春児童ポルノ処罰法(平成11年法律第52号)が制定された。また、地方自治体のなかには「青少年保護育成条例」などを制定して、法律とは別に、18歳未満の青少年に対する買春を禁止しているところもある。
 もっとも深い人間関係ともいわれる性関係が商品として取引される売春は、AIDS(エイズ)(HIV感染症)などの性感染症の危険にとどまらず、人格や人間の尊厳にかかわる問題とも考えられている。[山手 茂・青山 薫]
 しかし一方で、ヨーロッパ、アジア太平洋、南米諸国を中心に、売春に従事する人びとによる売春を正当な労働として社会に認めさせようという運動もあり、1980年代からグローバルに展開されてきている。ほかに生活の糧を得る手立てがない人も好んで売春をする人も含め、労働者としての権利を獲得することで、売春婦(夫)に対する差別や搾取を軽減し、交渉力と安全を確保しようというものである。その影響もあって、2010年代までに、オランダ、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、南米各国、アメリカのネバダ州などで、売春が合法化(売春に特化した法規制を受ける)または非犯罪化(ほかの労働と同じ法規制しか受けない)されている。売春合法化・非犯罪化の背景には、AIDSと人身取引を予防するには、性産業を取り締まるより味方につけるほうが効果が高いという各国政府の判断や、税収への期待もあるといわれる。
 また、売春は犯罪ではないが買春を犯罪とした国は1999年に法制定したスウェーデンが最初で、ノルウェー、アイスランドが続いている。[青山 薫]
『中山太郎著『売笑三千年史』(1956・日文社) ▽神崎清著『売春』(1974・現代史出版会) ▽金一勉著『日本女性哀史』(1980・現代史出版会) ▽佐伯順子著『遊女の文化史――ハレの女たち』(1987・中央公論社) ▽V・ブーロー他著、香川檀他訳『売春の社会史――古代オリエントから現代まで』(1991・筑摩書房) ▽T・D・トゥルン著、田中紀子・山下明子訳『売春――性労働の社会構造と国際経済』(1993・明石書店) ▽「女性の人権」委員会編『女性の人権アジア法廷――人身売買・慰安婦問題・基地売春を裁く』(1994・明石書店) ▽総理府編『売春対策の現況』(1997・大蔵省印刷局) ▽藤目ゆき著『性の歴史学――公娼制度・堕胎罪体制から売春防止法・優生保護法体制へ』(1997・不二出版) ▽J・G・マンシニ著、寿里茂訳『売春の社会学』(2000・白水社) ▽R・ワイツァー著、岸田美貴訳『セックス・フォー・セール――売春・ポルノ・法規制・支援団体のフィールドワーク』(2004・ポット出版) ▽要友紀子・水島希著『風俗嬢意識調査――126人の職業意識』(2005・ポット出版) ▽青山薫著『「セックスワーカー」とは誰か――移住・性労働・人身取引の構造と経験』(2007・大月書店) ▽井上理津子著『さいごの色街 飛田』(2011・筑摩書房) ▽山崎朋子著『サンダカン八番娼館』(文春文庫) ▽福田利子著『吉原はこんな所でございました――廓の女たちの昭和史』(ちくま文庫)』

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