デジタル大辞泉 「切口上」の意味・読み・例文・類語 きり‐こうじょう〔‐コウジヤウ〕【切(り)口上】 1 一語ずつ区切ってはっきりという言い方。堅苦しく改まった言い方。また、形式的で無愛想な言い方。「切り口上のあいさつ」2 江戸時代の歌舞伎で、1日の演目が終わるときの口上。楽屋頭取などが舞台から「まず今日はこれぎり」と述べた。現在でも演出上行うことがある。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「切口上」の意味・読み・例文・類語 きり‐こうじょう‥コウジャウ【切口上】 〘 名詞 〙① 一語ずつ区切るように、はっきりという言い方。改まって堅苦しい調子の言葉つきなどにいう。切声(きりごえ)。[初出の実例]「子細に巻舌切口上必憎まるる基にて候」(出典:談義本・教訓続下手談義(1753)二)② 歌舞伎で、一日の狂言が終わった時、楽屋頭取や座頭の俳優などが「まず今日はこれ限り」と一礼しながら舞台で観客に述べる口上。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「切口上」の意味・わかりやすい解説 切口上 (きりこうじょう) 江戸時代の歌舞伎で,一日の演目が終わるときに言った〈口上〉。頭取(とうどり)が裃姿で舞台に出て〈まず今日(こんにち)はこれきり〉と挨拶する。その言いまわしが型にはまって,いかめしかったことから,〈切口上で応対する〉というように堅苦しくて冷たい物の言い方を示す日常語として使われている。執筆者:松井 俊諭 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「切口上」の意味・わかりやすい解説 切口上きりこうじょう 歌舞伎(かぶき)用語。江戸時代の興行で1日の演目が終わるときの口上。裃(かみしも)姿の頭取が舞台に出て「まず今日(こんにち)はこれぎり」と挨拶(あいさつ)するのが通例で、その言い回しが型にはまり、いかめしかったことから、「切口上で応対する」というように、堅苦しく冷たい感じの口調を意味する日常語として使われるようになった。[松井俊諭] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例