翻訳|discriminant
n次代数方程式f(X)=a0Xn+a1Xn⁻1+a2Xn⁻2+……+an=0の根をα1,α2,……,αnとするとき,
を方程式f(X)=0の判別式という。根と係数の関係を使って,判別式Dは方程式の係数a0,a1,……,anの多項式として表すことができる。例えば二次方程式aX2+bX+c=0の判別式Dは,
D=a2(α1-α2)2=a2{(α1+α2)2- 4α1α2}=b2-4ac
である。また三次方程式X3+pX+q=0の判別式はD=-4p3-27q2である。判別式の定義から明らかなように,方程式f(X)=0が重根をもつための必要十分条件はD=0が成立することである。例えば二次方程式aX2+bX+c=0が重根をもつための必要十分条件はb2-4ac=0であり,三次方程式X3+pX+q=0が重根をもつための必要十分条件は4p3+27q2=0である。
二次方程式aX2+bX+c=0の係数a,b,cがすべて実数のときは,判別式D≧0であることが実根をもつための必要十分条件であり,D<0が2虚根をもつための必要十分条件である。同様にして実数を係数とする三次方程式に対しては,D>0であれば方程式は相異なる3実根をもち,D=0であれば根はすべて実根であり,そのうちの少なくとも二つは等しく,D<0であれば方程式は1実根と2虚根をもつ。またこの逆も成立する。
なお,整数論で使われる判別式は上で定義したものとは別のものである。
執筆者:上野 健爾
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n次方程式
f(x)=a0xn+a1xn-1+……+an=0
の解をα1,α2,……,αnとするとき
D=a02(n-1)(α1-α2)2
×(α1-α3)2……
(α1-αn)2
×(α2-α3)2……
(α2-αn)2
×………………
×(αn-1-αn)2
をf(x)=0の判別式という。
n=2でf(x)=ax2+bx+c=0のときは、二つの解をα、βとすると
D=a2(α-β)2=b2-4ac
であり、f(x)=0の解は
と表される。
n=3でf(x)=ax3+bx2+cx+d=0のときには、三つの解をα、β、γとして
D=a4(α-β)2(α-γ)2(β-γ)2
=b2c2+18abcd-4ac3-4b3d
-27a2d2
とくにf(x)=x3+cx+dのときは
D=-4c3-27d2
でありf(x)=0の解は
と表される。δのとり方は、三乗して
となる数を一つとり、それをδ0として、δ0ω,δ0ω2(ωは1の立方根)をつくればよいので、三つのxの値が定まる。
有理数を係数とする既約方程式f(x)=0の解をαとし、有理数体Qにαを付加した体をQ(α)とする。f(x)=0の判別式は整数であり、その値はQ(α)の整数論的な構造に重要な意味をもっている。
[寺田文行]
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…この場合は根の公式とも呼ばれる。(a)二次方程式aX2+bX+c=0(a≠0)の根は,D=b2-4acを判別式discriminantという。D=0のときは2根が一致(重根)のときである。…
…a,b,cが整数の場合に,n/m(既約分数)が根となりうるのは,mがaの約数であり,nがcの約数(負の約数も含める)である場合に限られる。 D=b2-4acを上の二次方程式の判別式discriminantという。これを用いると二次方程式の2根は,で与えられる。…
…この場合は根の公式とも呼ばれる。(a)二次方程式aX2+bX+c=0(a≠0)の根は,D=b2-4acを判別式discriminantという。D=0のときは2根が一致(重根)のときである。…
…a,b,cが整数の場合に,n/m(既約分数)が根となりうるのは,mがaの約数であり,nがcの約数(負の約数も含める)である場合に限られる。 D=b2-4acを上の二次方程式の判別式discriminantという。これを用いると二次方程式の2根は,で与えられる。…
※「判別式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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