利波新村（読み）となみしんむら

日本歴史地名大系

利波新村
となみしんむら

• 富山県：富山市
• 旧婦負郡・射水郡地区
• 利波新村

[現在地名]富山市利波

八町（はつちよう）村の西方に位置する小村で、南西にある中沖（なかおき）村の枝村。北西に射水郡の同名村（現新湊市）がある。村名は江戸時代初期に礪波（となみ）郡東保（ひがしぼ）村（現砺波市）の与三兵衛なる者が当地を開いたことに由来するという（婦負郡志）。婦負郡に属し、寛永一六年（一六三九）以降富山藩領。所属組は打出（うちいで）村と同じ。正保郷帳では新田高四二石余、田方一町五反余・畑方一町二反余。元禄一一年（一六九八）の郷村高辻帳では、中沖村の北東一〇町に位置する新田村とされ、高一三一石。寛政二年（一七九〇）の高物成品々手鏡では古高一三一石余・定免四ツ二歩五厘。寛永期（一六二四―四四）の肝煎に源左衛門がみえる。

利波新村
となみしんむら

• 富山県：新湊市
• 利波新村

[現在地名]新湊市本江利波（ほんごうとなみ）、射水郡下（しも）村利波新

打出本江（うちでほんごう）村の南に位置し、集落内を北陸街道が通る。寛永元年（一六二四）から始まった牛（うし）ヶ首（くび）用水の開削が契機となり、その末端の用・排水が整備されたことから、同一二年に村立てされた（「郷村名義抄」越中志徴）。天保三年（一八三二）の書上（新湊市史）に「明応年間開発新村相建候所礪波郡西部金屋よりまかり越候」とあり、村名は礪波（となみ）郡からの移住により成立したことによるといわれる。正保郷帳に村名がみえ、新田高三五石余、田方一町五反・畑方八反余。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」