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制吐剤 せいとざいantiemetic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

制吐剤
せいとざい
antiemetic

鎮吐薬ともいう。吐き気嘔吐をしずめる薬剤。嘔吐中枢に作用する薬剤と,胃壁の刺激をゆるめて吐き気を抑制する薬剤がある。前者には,催眠剤やブロム剤のほか,クロルプロマジンのようなトランキライザの系統のものも用いられ,後者には,アネステジン,塩酸コカインなどが用いられる。別に乗物酔いによる吐き気には,抗ヒスタミン剤を応用したクロルサイクリジンなどが用いられている。

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デジタル大辞泉の解説

せいと‐ざい【制吐剤】

吐き気を抑える薬剤。制吐薬

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栄養・生化学辞典の解説

制吐剤

 嘔吐を抑制する薬剤.中枢に作用するもの,末梢に作用するものがある.

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大辞林 第三版の解説

せいとざい【制吐剤】

吐き気や嘔吐を止める薬剤。 → 鎮吐剤

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

制吐剤
せいとざい

鎮吐剤ともいい、吐き気、嘔吐(おうと)を止める薬剤。嘔吐は、延髄に存在する嘔吐中枢を直接刺激する場合と、それに近接する化学受容体引き金帯を刺激する場合におこる。したがって制吐剤には、中枢性に嘔吐を止める薬物と、末梢(まっしょう)性に作用するものとがある。制吐作用は嘔吐の原疾患を隠蔽(いんぺい)することがあるので、制吐剤を用いるにあたっては、まず原疾患を調べることがだいじである。
 もともと制吐剤は、乗り物酔いなどの加速度病(動揺病)と妊娠中の吐き気の治療に重点が置かれていたが、やがて制癌(がん)剤の副作用である吐き気と嘔吐の予防、治療に焦点があてられるようになった。以前は副作用の発現により制癌剤投与の中止を余儀なくさせられる場合があったが、新しく開発された制吐剤により制癌剤投与が可能となり、癌治療になくてはならない医薬品となっている。[幸保文治]

中枢性制吐剤

中枢神経抑制薬であるバルビツール酸系およびブロム化合物がこれに属する。抗ヒスタミン剤でもあるジメンヒドリナート(「ドラマミン」)、ジフェンヒドラミンとジプロフィリンの合剤(「トラベルミン」)などは、乗り物酔いに伴う悪心(おしん)、嘔吐を抑制するためによく用いられる。フェノチアジン系トランキライザーのなかで制吐作用の強いものとして、クロルプロマジンのほかにプロクロルペラジン、ペルフェナジンなどがある。そのほか特異的ドパミン拮抗(きっこう)物質であるドンペリドン(「ナウゼリン」)は強い制吐作用を有し、制癌剤の副作用である嘔吐によく用いられる。
 制癌剤(シスプラチン等)の投与に伴う吐き気、嘔吐の予防と治療を目的として開発されたのがセトロニン(5-HT3)受容体拮抗薬(オンダンセトロン、グラニセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、トロピセトロン、インジセトロン、パロノセトロン)と選択的ニューロイキン1(NK1)受容体拮抗薬(アプレピタント)でとくにパロノセトロンとアプレピタントは遅発性の嘔吐にも有効である。[幸保文治]

末梢性制吐剤

局所麻酔薬であるアミノ安息香酸エチル、アトロピンやスコポラミンおよびその類似薬である副交感神経遮断薬、シュウ酸セリウム、生薬(しょうやく)では半夏(はんげ)(カラスビシャクの地下茎)があげられる。スコポラミンは乗り物酔いに有効。[幸保文治]

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