吐き気や
オンダンセトロン製剤、インジセトロン塩酸塩製剤は、各種抗ガン剤の使用に伴っておこる吐き気・
ラモセトロン塩酸塩製剤は、腹部の迷走神経にはたらきかけて制吐作用を示すもので、抗ガン剤(シスプラチンなど)使用による吐き気・嘔吐などの消化器症状の治療に用いられます。
グラニセトロン塩酸塩製剤やアプレピタント製剤、アザセトロン塩酸塩製剤、オランザピン製剤は、各種抗ガン剤の使用に伴っておこる吐き気・嘔吐などの消化器症状を抑える薬で、強い吐き気、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)の使用に限り用います。アプレピタント製剤は遅発期の症状、オランザピン製剤は、統合失調症、双極性障害における躁症及びうつ症状にも効果があります。
①
②オンダンセトロン製剤では、ショック、アナフィラキシー、てんかん様発作が現れることがあります。このような症状が現れたときは、使用を中止してすぐ医師に報告してください。また、頭痛、頭重感、ふるえ、しゃっくり、一過性の視力異常(かすみ目など)、ねむけ、下痢、便秘、肝機能障害、
アザセトロン塩酸塩製剤、グラニセトロン塩酸塩製剤、ラモセトロン塩酸塩製剤では、ショック、アナフィラキシーがおこることがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に報告してください。また、頭痛、
インジセトロン塩酸塩製剤では、体温上昇、しゃっくり、頭痛、腹痛、血液障害、肝・腎機能障害、発熱、関節痛、排尿困難などがおこることがあります。こうした症状が現れたときは、医師に相談してください。
アプレピタント製剤では、皮膚粘膜眼症候群、
オランザピン製剤では、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、低血糖、悪性症候群、肝機能障害、
①錠剤、カプセル剤、散剤、シロップなどがあり、オンダンセトロン製剤、アザセトロン塩酸塩製剤、インジセトロン塩酸塩製剤、グラニセトロン塩酸塩製剤、ラモセトロン塩酸塩製剤は1日1回服用です。アプレピタント製剤、オランザピン製剤は、1日1回の服用で、副腎皮質ステロイド剤、アザセトロン塩酸塩製剤、オンダンセトロン製剤、インジセトロン塩酸塩製剤、グラニセトロン塩酸塩製剤、ラモセトロン塩酸塩製剤、そのほかにオランザピン製剤は、アプレピタント製剤と併用して服用します。かってな判断で中止または増量・減量せず、医師・薬剤師の指示をきちんと守ってください。また、服用するときは十分な水で飲んでください。
②この薬の成分に対して過敏症の既往歴がある人、アプレピタント製剤では、ピモジド剤を使用中の人、オランザピン製剤では、昏睡状態の人、バルビツール酸誘導体などの中枢神経抑制剤の強い影響下にある人、アドレナリン使用中の人、糖尿病の人、糖尿病の病歴がある人は使えません。
③問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を必ず医師に報告してください。オンダンセトロン製剤、グラニセトロン塩酸塩製剤では、セロトニン作用薬、アプレピタント製剤は、イトラコナゾール、エリスロマイシン、リファンピシン、エチニルエストラジオール(この薬の使用中及び最終使用から1か月間は代替避妊法もしくは補助的避妊法を用いる必要があります)、ワルファリンカリウムなどを使用中の人や重度の肝障害の人は、医師に相談してから用いてください。
④過去にこれらの薬で過敏症状をおこしたことのある人、重い肝機能障害のある人、高齢者などは、あらかじめその旨を医師に報告してください。薬によっては使用できないことがあります。
⑤妊婦、現在妊娠する可能性のある人、母乳で授乳している人は、使用できないことがあります。あらかじめその旨を医師に報告してください。
⑤これらの薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときは、前もって必ず医師・薬剤師に相談してください。
⑥オランザピン製剤では、ねむけ、注意力の低下などが現れることがあるので、自動車運転や危険な作業は避けてください。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報
鎮吐剤ともいい、吐き気、嘔吐(おうと)を止める薬剤。嘔吐は、延髄に存在する嘔吐中枢を直接刺激する場合と、それに近接する化学受容体引き金帯を刺激する場合におこる。したがって制吐剤には、中枢性に嘔吐を止める薬物と、末梢(まっしょう)性に作用するものとがある。制吐作用は嘔吐の原疾患を隠蔽(いんぺい)することがあるので、制吐剤を用いるにあたっては、まず原疾患を調べることがだいじである。
もともと制吐剤は、乗り物酔いなどの加速度病(動揺病)と妊娠中の吐き気の治療に重点が置かれていたが、やがて制癌(がん)剤の副作用である吐き気と嘔吐の予防、治療に焦点があてられるようになった。以前は副作用の発現により制癌剤投与の中止を余儀なくさせられる場合があったが、新しく開発された制吐剤により制癌剤投与が可能となり、癌治療になくてはならない医薬品となっている。
[幸保文治]
中枢神経抑制薬であるバルビツール酸系およびブロム化合物がこれに属する。抗ヒスタミン剤でもあるジメンヒドリナート(「ドラマミン」)、ジフェンヒドラミンとジプロフィリンの合剤(「トラベルミン」)などは、乗り物酔いに伴う悪心(おしん)、嘔吐を抑制するためによく用いられる。フェノチアジン系トランキライザーのなかで制吐作用の強いものとして、クロルプロマジンのほかにプロクロルペラジン、ペルフェナジンなどがある。そのほか特異的ドパミン拮抗(きっこう)物質であるドンペリドン(「ナウゼリン」)は強い制吐作用を有し、制癌剤の副作用である嘔吐によく用いられる。
制癌剤(シスプラチン等)の投与に伴う吐き気、嘔吐の予防と治療を目的として開発されたのがセトロニン(5-HT3)受容体拮抗薬(オンダンセトロン、グラニセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、トロピセトロン、インジセトロン、パロノセトロン)と選択的ニューロイキン1(NK1)受容体拮抗薬(アプレピタント)でとくにパロノセトロンとアプレピタントは遅発性の嘔吐にも有効である。
[幸保文治]
局所麻酔薬であるアミノ安息香酸エチル、アトロピンやスコポラミンおよびその類似薬である副交感神経遮断薬、シュウ酸セリウム、生薬(しょうやく)では半夏(はんげ)(カラスビシャクの地下茎)があげられる。スコポラミンは乗り物酔いに有効。
[幸保文治]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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