エリスロマイシン

デジタル大辞泉 「エリスロマイシン」の意味・読み・例文・類語

エリスロマイシン(erythromycin)

放線菌ストレプトミセス‐エリスレウスが産生するマクロライド系抗生物質ジフテリア菌などのグラム陽性菌に対する効力が強い。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「エリスロマイシン」の意味・読み・例文・類語

エリスロマイシン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] erythromycin )[ 異表記 ] エリトロマイシン 抗生物質一つ副作用は少なく、細菌のタンパク質合成を阻害する。グラム陽性菌、スピロヘータリケッチア、大形ウイルスに有効で肺炎扁桃腺炎ジフテリアつつがむし病などの治療に用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「エリスロマイシン」の意味・わかりやすい解説

エリスロマイシン

抗生物質。主としてグラム陽性菌のほかスピロヘータおよびリケッチア発育も阻止し,下記の感染症に有効で,特にペニシリンテトラサイクリンなどに耐性を有する菌感染症に有用である。敗血症骨髄炎腎盂(じんう)炎,肺炎,リンパ節炎,扁桃炎,産褥(さんじょく)熱,猩紅(しょうこう)熱,ジフテリア,結膜炎角膜炎,梅毒などに使用する。過敏症,消化器障害,時に難聴などの副作用も現れる。1952年米国のJ.M.マクガイアが発表。商品名アイロタイシン。
→関連項目百日咳

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

化学辞典 第2版 「エリスロマイシン」の解説

エリスロマイシン
エリスロマイシン
erythromycin

C37H67NO13(733.93).Streptomyces erythreusが産生する十四員環マクロライド抗生物質.水和物は白色結晶融点135~140 ℃.固化後,再融点190~193 ℃.-78°(エタノール).エタノール,アセトンに易溶,水に不溶.グラム陽性菌,グラム陰性菌,マイコプラズマ,クラミジアなどに抗菌力を示す.リボソームの50Sサブユニットに作用してタンパク質合成を阻害する.経口や外用薬で用いる.LD50 2580 mg/kg(マウス,経口).[CAS 114-07-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリスロマイシン」の意味・わかりやすい解説

エリスロマイシン
erythromycin

C37H67NO13 。放線菌の一種 Streptomyces erytheusが生産する抗生物質。マクロライド系抗生物質に属し,水から含水結晶を得る。融点 135~148℃。この温度でいったん融解したのち凝固し,190~193℃で再び融解する。アセトンやクロロホルムに易溶。マイコプラズマ肺炎に効果大。副作用として嘔吐,下痢などを伴う。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエリスロマイシンの言及

【抗生物質】より

…占領下の日本にも緊急輸入され,当時流行した発疹チフス,腸チフス,赤痢などの防疫に貢献し,結核,梅毒,恙虫(つつがむし)病などにもきわめて威力を発揮した。52年にはエリスロマイシンも発見された。 抗菌性抗生物質の開発史は,別の見方をすれば,耐性菌との闘いの歴史であるともいえる。…

※「エリスロマイシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android