前立腺疾患(読み)ぜんりつせんしっかん(英語表記)Prostatic diseases

六訂版 家庭医学大全科の解説

前立腺疾患
ぜんりつせんしっかん
Prostatic diseases
(お年寄りの病気)

どのような状態か

 前立腺は膀胱(ぼうこう)の出口に位置しています(図13)。壮年期はクルミ大の大きさですが、五十歳ころから次第に肥大して尿道を圧迫し排尿障害を生じるのが前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)です。前立腺の肥大によって膀胱も過活動膀胱となり、頻尿(ひんにょう)(とくに夜間頻尿)となります。

 一方、加齢により遺伝子の変化などが原因となって前立腺がんが発症します。年齢とともに発症頻度が高くなります。がんが内臓に広がると足にむくみが生じます。がんは骨に転移しやすく、腰椎(ようつい)に転移すると腰痛が生じ、転移によって腰椎骨折(病的骨折)を起こすと下半身が麻痺(まひ)します。

 前立腺疾患が原因で尿路感染が生じます。急性尿路感染症では発熱、排尿痛、会陰部痛、頻尿などの症状が出ますが、慢性尿路感染症では症状は出ず、尿が混濁したり悪臭を発するようになります。

 高齢者の排尿障害の原因として、薬剤も考えておく必要があります。表10に排尿に影響する代表的薬剤をあげます。

村山 猛男


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報