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加藤磐斎 かとう・ばんさい

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朝日日本歴史人物事典の解説

加藤磐斎

没年:延宝2.8.11(1674.9.10)
生年:寛永2(1625)
江戸前期の和学者。幼名新太郎。等空,踏雪軒,冬木斎などと号した。「盤斎」とも表記する。諸書の序跋類には「非真非俗非修非学非隠非遁道人」と名乗る。摂津山田の人。父新五左衛門が若死したため祖父忠兵衛に育てられる。15歳で比叡に入山,天台宗を学ぶ。20歳過ぎから宮川松堅,北村季吟,深草元政らと交友を持ち,松永貞徳の指導を仰ぐ。この当時の地下歌人の常で,和歌・俳諧の双方に通じたが,本領はあくまでも和歌・歌学であった。特に注釈書に見るべきものが多い。また後半生は京坂を拠点に各国へ漂泊の旅を繰り返した。『芳野花見記』は24歳時の作であるが,すでに一家の風をなしている。著書は多く,古典注釈では『光源氏物語大意』『土佐日記見聞抄』『三十六人歌仙和歌抄』『伊勢物語闕疑抄初冠』『徒然草抄』『新古今増抄』『三部抄増註』などほとんど網羅的な業績があるが,北村季吟に比べるとその存在感ははなはだ薄い。後世への影響も乏しく,磐斎の業績は半ば埋もれたままとなった。他に俳論の『俳諧談』がある。和歌はほとんど伝わらない。<参考文献>『加藤磐斎古注釈集成』,藤関吉徳「加藤磐斎伝記考証」(『国文学』〈関西大学〉63号)

(久保田啓一)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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