デジタル大辞泉
「励」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
はげ・む【励】
[1] 〘自マ五(四)〙
①
気力をはげしくする。気を荒だてる。怒りなげく。
慷慨する。
※
書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓)「言を発
(おこ)して慷慨
(ハケム)て流れ涕
(ふ)るに至ります」
② 他を捨ててそのことだけにつとめる。
専心努力する。精を出す。
※大智度論平安初期点(850頃か)「若し此の報を得むと欲はば、当に懃めて自ら勉み厲(ハケム)べし」
※
源氏(1001‐14頃)
帚木「おくれたる筋の心をも、猶くちをしくは見えじと思ひはげみつつ」
[2] 〘他マ五(四)〙 心をふるいたたせて行なう。また、力や
勢いを努力して出す。力を尽くしてする。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「こはき力をはげみて、海、河、峰、谷を越えて」
はげま・す【励】
〘他サ五(四)〙
① はげむようにさせる。心を奮いたたせる。勢いをつける。激励する。鼓舞する。
※書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓)「
所以に心を小
(せ)め、己
(おのれ)を励
(ハケま)して日
(ひにひ)に一日を慎むことは」
※源氏(1001‐14頃)
玉鬘「心ざしをはげまして、今日はいとひたぶるに強ひてさぶらひつる」
②
気持をそちらに向けさせる。そそのかす。たきつける。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「まづ、人の心はげまさむ事を、先におぼすよ」
③ (「声をはげます」などの形で) 自分の気持をふるい立たせて
大声を出す。
※
小学読本(1874)〈
榊原・
那珂・
稲垣〉五「孫兵衛愈々怒りて諂ひものめと組み付かんとするを取ておさへ声を励まし」
はげみ【励】
① はげむこと。精を出すこと。勉励。精励。
② 精を出すささえ。はげまし。
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉四「さう云って遣ったら
当人も励みになって勉強する事でせう」
はげまし【励】
〘名〙 (動詞「はげます(励)」の連用形の名詞化) はげますこと。激励。〔羅葡日辞書(1595)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報