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熱化学方程式 ネツカガクホウテイシキ

デジタル大辞泉の解説

ねつかがく‐ほうていしき〔ネツクワガクハウテイシキ〕【熱化学方程式】

化学反応による熱量の出入り(反応熱)を付加した化学反応式。反応物質と生成物質の両片を等号(=)で結び、着目する物質の係数を1として、その物質1モル当たりの熱量を記し、発熱反応を正、吸熱反応を負の符号で表す。たとえば、塩素と水素が化合して塩化水素が生じる場合は、H2+Cl2=2HCl+184キロジュールとなる。反応物の状態を明示する記号を添えて、H2(気)またはH2(g)などのように記す。

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百科事典マイペディアの解説

熱化学方程式【ねつかがくほうていしき】

化学反応に伴う熱量の出入をも示した化学方程式。発熱反応では正,吸熱反応では負の熱量を反応物質側に記す。たとえばH2(気)+Cl2(気)=2HCl(気)+184kJの式は気体の水素1モルと気体の塩素1モルとが反応して2モルの気体塩化水素を生じ,同時に184kJの熱量を発生することを示す。
→関連項目生成熱

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大辞林 第三版の解説

ねつかがくほうていしき【熱化学方程式】

化学反応式に物質の状態やその反応熱を付記したもの。代数方程式と同様に移項や複数の熱化学方程式の加減算ができ、それにより測定の困難な反応の反応熱をも知ることができる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

熱化学方程式
ねつかがくほうていしき
thermochemical equation

化学方程式に反応に伴う熱の出入量(反応熱)を付け加えて表した反応式をいう。反応熱は発熱の場合には正の符号、吸熱の場合には負の符号で示す。たとえば、一酸化炭素を空気中または酸素中で燃やすと発熱するが、これの熱化学方程式は、

である。あるいは、

としてエンタルピー(熱含量)変化ΔHで表すこともある。この場合は系の吸熱を正とするので、発熱量は負の値になる。つまり一つの系を基準として考えるので増加する場合を正、減少する場合を負にとる。反応熱は反応物や生成物の状態(固相か液相か気相か)によって熱量が異なるから、必要ならばこれを付記する。たとえば、
  H2(気)+Cl2(気)=2HCl(気)+44kcal
また、反応の温度を付記する場合もある。たとえば、
  NaCl(固)+2H2O
   =NaCl(溶液)+1.26kcal(25℃)
のように表す。[戸田源治郎・中原勝儼]

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世界大百科事典内の熱化学方程式の言及

【化学反応】より

…反応熱に符号をつけ,反応系に加える熱を正,反応系から除く熱を負とすれば,発熱反応の場合は負,吸熱反応の場合は正となる。反応熱の大きさを化学反応式に書き加え等号で結んだのが熱化学方程式である。たとえば25℃,1気圧で, N2(g)+3H2(g)=2NH3(g)+91.80kJ化学記号の後のgは気相を意味する。…

【化学方程式】より

… 2Na+2H2O=H2+2NaOHこの式から46.0gのナトリウム(原子量23.0)は水と反応して1molの水素,すなわち0℃,1気圧のもとでは22.4lの水素を発生することがわかる。反応に伴う熱の出入りをも表した方程式を熱化学方程式という。たとえば,エチルアルコールC2H6O1molが燃焼して1368kJ(327kcal)の熱を発生し,二酸化炭素CO22molと液体の水H2O3molができるとき, C2H6O(液体)+3O2(気体)=2CO2(気体)+3H2O(液体); ⊿H=-1368kJ/molと記す。…

【反応熱】より

…熱力学的には両者は互いに変換される。化学方程式の後に反応熱を併記したものは熱化学方程式と呼ばれる。化学結合の再編成によって物質系のもつ内部エネルギーU(定容下)またはエンタルピーH(定圧下)の増減が熱の出入りとなって表れる。…

※「熱化学方程式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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