化学反応において反応する物質と生成する物質との関係を,物質を表す化学式と等号を用いて表した式で,左辺に反応物,右辺に生成物を記す。たとえば,水素と酸素が反応して水ができる反応は,
2H2+O2=2H2O
で表す。化学方程式は化学反応に関与する物質の種類を表すばかりではなく,質量保存の法則,気体反応の法則など物質間の量的関係も表す。そのため両辺の物質の質量が等しくなるように化学式の前に係数をつける(係数が1のときは省略する)。金属ナトリウムNaは水と接触すると激しく反応して水素を発生し,同時に水酸化ナトリウムNaOHができるが,この反応はつぎの化学方程式で表される。
2Na+2H2O=H2+2NaOH
この式から46.0gのナトリウム(原子量23.0)は水と反応して1 molの水素,すなわち0℃,1気圧のもとでは22.4lの水素を発生することがわかる。反応に伴う熱の出入りをも表した方程式を熱化学方程式という。たとえば,エチルアルコールC2H6O1molが燃焼して1368kJ(327kcal)の熱を発生し,二酸化炭素CO22 molと液体の水H2O3 molができるとき,
C2H6O(液体)+3O2(気体)=2CO2(気体)+3H2O(液体);
⊿H=-1368kJ/mol
と記す。⊿Hは反応熱を示し,⊿H>0の反応は吸熱反応,⊿H<0の反応は発熱反応である。反応熱は反応物および生成物の状態(気体,液体,固体,溶液などの状態)により異なるから,それらも表示するが,O2やCO2などは常温で気体であることがよく知られているので,わざわざ(気体)と示さなくてもよい。
執筆者:佐野 瑞香
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
一つの化学反応における反応物質(反応系)と生成物質(生成系),およびそれらの間の量的関係を表す等式.反応物質を左辺に,生成物質を右辺に記す.左辺のある元素の原子数の総和と右辺の同じ元素の原子数の総和は等しくなければならない.たとえば,水素と酸素の結合反応は
2H2 + O2 = 2H2O
で表され,2 mol の水素と1 mol の酸素から2 mol の水ができることを示す.[別用語参照]化学反応式
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新