北伝仏教(読み)ホクデンブッキョウ

デジタル大辞泉 「北伝仏教」の意味・読み・例文・類語

ほくでん‐ぶっきょう〔‐ブツケウ〕【北伝仏教】

北方ほっぽう仏教

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精選版 日本国語大辞典 「北伝仏教」の意味・読み・例文・類語

ほくでん‐ぶっきょう‥ブッケウ【北伝仏教】

  1. 〘 名詞 〙ほっぽうぶっきょう(北方仏教)

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改訂新版 世界大百科事典 「北伝仏教」の意味・わかりやすい解説

北伝仏教 (ほくでんぶっきょう)

チベット,中国,朝鮮,日本などに行われている仏教総称。〈北伝仏教〉あるいは〈北方仏教〉,およびこれに対する〈南伝仏教〉または〈南方仏教〉という呼称は,もとはヨーロッパの仏教学者によって与えられたものである。近代学としての仏教学はインド学と重なって19世紀に始められたが,西欧の学者は,スリランカセイロン)で得たパーリ語で著された仏教典籍に基づく仏教を〈Southern Buddhism〉と呼び,ネパールで入手したサンスクリット(あるいは仏教梵語)で書かれた仏典に基づく仏教を〈Northern Buddhism〉と称した。さらにこれらを敷衍して,ミャンマー,タイ,ラオスカンボジアなどの東南アジア諸国に行われている上座部の系統を引く仏教をも〈南方仏教〉と呼び,これに対して主として大乗仏教が行われているチベット,中国,朝鮮,日本などのインド以北の仏教を総称して〈北伝仏教〉(〈北方仏教〉)と呼ぶことになった。日本では,藤井宣正(せんしよう)の《仏教小史》(1896)に〈北方仏教〉の語が現れる。

 インドの仏教は古くから西域地方に伝えられていたが,紀元前後ごろ中国に伝えられ,仏典は盛んに漢訳された。中国古来の宗教とかかわりをもちつつ独自の中国仏教を開花させた。日本の仏教は朝鮮経由で伝えられたもので,神道とも交渉をもちつつ今日にいたっている。ベトナムの仏教も中国経由の大乗仏教である。また後期大乗仏教(密教)を継承したチベット仏教ラマ教)は,モンゴル満州にも及び,旧ソ連領内のブリヤート人やモンゴル人にも信仰されている。
南方仏教
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世界大百科事典(旧版)内の北伝仏教の言及

【南方仏教】より

…スリランカ(セイロン),ミャンマー,タイ,ラオス,カンボジアなどの南方諸国に行われている仏教をいう。インドから西域地方を経て,中国,日本などの北方に伝わった仏教を〈北伝仏教〉あるいは〈北方仏教〉というのに対して,この呼び方を用いる。上座部の仏教が伝えられたので〈南方上座部仏教〉または〈テーラバーダ〉とも呼ばれる。…

※「北伝仏教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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