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北極サークル
ほっきょくさーくる
Arctic Circle
北極圏の課題について話し合う国際会議。2013年にアイスランド大統領(当時)のグリムソンÓlafur Ragnar Grímsson(1943― )が開催を提唱し、アイスランド首都のレイキャビクで毎年10月に総会を開いている。アメリカ、カナダ、ロシア、中国、ノルウェー、アイスランドなど世界の50か国以上の北極圏政策を担当する外交関係者のほか、民間企業、非政府組織(NGO)、シンクタンクの関係者、研究者、先住民族代表らが参加する。このため「北極版ダボス会議」ともよばれる。会議では、北極航路などのインフラ整備、天然ガス、石油、レアメタルなどの鉱物資源や水産資源の開発、軍事・安全保障問題、環境・生態系保護対策、科学調査、国際ルールづくりなどについて議論する。日本政府は2018年(平成30)から参加。北極圏では地球温暖化で海氷が減り、ヨーロッパとアジアを結ぶ航路の利用や資源開発など北極圏への関心が高まっている。一方、ロシアが島嶼(とうしょ)部に基地を建設し、中国は北極海経由の広域経済圏構想「氷上のシルクロード」を表明するなど、北極圏での権益争いも起きており、北極サークルは国際問題を自由に討議する場として注目されている。
[矢野 武 2019年4月16日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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