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医用工学 いようこうがくmedical engineering

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

医用工学
いようこうがく
medical engineering

医用電子工学 medical electronicsまたは医用工学 medical engineeringの頭文字をとり MEとも呼ばれている。工学において発展した技術,手法,考え方,機器などを医学に取入れて,診療,健康管理,病気の予防,基礎医学などに役立たせようとする学問領域をいう。生物学や医学の知見を工学面に応用するバイオニクス bionicsなども,医用工学の重要な一部門である。生体工学 bioengineeringまたは biological engineering,医用生体工学 BME (biomedical engineering) などの語も,医用工学とほぼ同義と考えてよい。医用工学の重要な項目として,以下のものがあげられる。 (1) 生体の計測 生体電気現象測定のための心電計,脳波計,筋電計,網膜電位計など。生体物理現象測定のための電気血圧計,眼圧計,心音計,電磁血流計,呼吸流量計,電子体温計,サーモグラフなど。生体検査のためのX線装置,超音波診断装置,テレメータなど。検体検査のための自動生化学分析装置,自動血球計数装置などが含まれる。 (2) 生体情報の記録処理 心電図や脳波の自動診断機,医用小型記録装置,患者監視装置,分娩モニター,画像処理技術を応用した自動細胞診装置など。 (3) 生体のモデル工学 数学的に生体現象を模擬して,生体のメカニズムの解明に役立たせるコンピュータ・シミュレーション。電気的,機械的,化学的な模擬,医学教育に用いる患者シミュレータなど。 (4) 生体への作用工学 心臓ペースメーカー,電気麻酔などの生体への電気刺激,レーザーメス,超音波治療装置,電気メス,冷凍外科,生体接着剤など。 (5) 生体機能の代行 各種の人工臓器など。 (6) 医用システム工学 システム工学を医学に応用した医療情報システム,ホスピタル・オートメーション,遠隔医療,地域医療システム,臓器バンクなど。 (7) バイオニクス 生物がもつバイオセンサーの装置化,脳メカニズムの機能実現としてのパーセプトロンなど。エレクトロニクスの医学応用として出発した医用工学であったが,機械工学,化学工学,光学,流体力学,システム工学など,工学全般の参加によって,次第に広い境界領域をもつ,大きい学際的分野として発展してきた。日本では,1962年に日本 ME学会が設立された。国際的な連合 IFBMEもある。

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世界大百科事典内の医用工学の言及

【医用電子機器】より

…しかし,患者数の増大などの量的な要請や,高度の医療という質的な要求に対処するために,一つの方法として,電気を利用した医用機器あるいは医療技術の使用が考えられた。このように,医療の効率をあげ,医学の進歩に寄与し,医療の向上を目標とする医用工学の技術や機器がME技術あるいはME機器である。 現在,病院,診療所,健康保健センターあるいは医学の研究の各種の施設において,多種のME機器が利用されて,医療および医学の研究に大きな貢献をしている。…

※「医用工学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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