日本歴史地名大系 「千種遺跡」の解説
千種遺跡
ちぐさいせき
昭和二七年(一九五二)国府川の河川改修により、標高二・三メートルの現水田より二メートルから三メートル下部に遺物が出土し、同年発掘調査が実施された。遺構はA群の井戸枠とB群の溝・矢板列・柱列・杭列・貝塚とC群の柱列・矢板列。出土土器は縄文晩期から弥生中後期が少量で、弥生終末期から古墳初期の千種式土器が主体である。発掘時の遺物出土状況からみて、洪水で集落が壊滅したことがわかる。
木器や自然遺物が多く、鋤・鍬・・大足・田舟・ふぐしなどの農耕用具や、櫂・たも網枠の漁具、狩猟用具の弓、織機具、臼・杵・槽・竹ざるの調理関係用具が出土。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報