鹿爪らしい(読み)シカツメラシイ

デジタル大辞泉 「鹿爪らしい」の意味・読み・例文・類語

しかつめ‐らし・い【鹿爪らしい】

[形][文]しかつめら・し[シク]《「しかつべらしい」の音変化。「鹿爪」は当て字》まじめくさっていて堅苦しい。もっともらしい。「―・い顔をする」「―・いあいさつ」
[派生]しかつめらしげ[形動]しかつめらしさ[名]
[類語]半可通生意気こざかしい利いた風小生意気ちょこ才しゃらくさい小癪こましゃくれる知ったか振り

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鹿爪らしい」の意味・読み・例文・類語

しかつめらし・い【鹿爪】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]しかつめら〘 形容詞シク活用 〙 ( 「しかつべらしい」の変化した語。「しかづめらしい」とも。「鹿爪」はあて字 ) もっともらしい。堅苦しくまじめくさった感じがする。まじめぶっている。形式ばっている。
    1. [初出の実例]「寧ろ当然の事ならめ、と鹿爪(シカツメ)らしういはれたりしが」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇)
    2. 「白い小倉の袴のゴワゴワするのを御苦労にも鹿爪らしく穿いて居る所は」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六)

鹿爪らしいの語誌

「しかりつべしい」が「しかつべしい」を経て、「しかつべらしい」に変化し、その後m音とb音の交替で「しかつめらしい」へと変化したものか。あるいは、「しかありつべくあるらし」がもとで、「しかつべうあらし」→「しかつべえらし」→「しかつべらし」→「しかつめらし」と変化したものとも考えられる。その過程で語義も「当然そうである」から「もっともらしい」、さらには「まじめくさっている」意へと変化していったと思われる。

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