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原油高騰 げんゆこうとうsteep rise in oil prices

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知恵蔵の解説

原油高騰

2008年2月28日、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の先物価格が1バレル=103ドルを超え、最高値を更新した。米国や中国、インドなどの旺盛な石油需要の拡大に供給能力が追いつかず、そこに投機マネーが流入していることが直接の要因とされるが、一方でピークオイル説も広がっている。ピークオイルとは、各油田の減衰が重なって世界全体の石油生産がピークを迎え、減少に転じる時点を指す。1956年に地質学者M.K.ハバートがアメリカの石油生産のピークを70年代初頭と予測したことが起源。98年に地質学者のコリンキャンベルらが、世界全体のピークオイルを2010年前後と予測し、昨今の原油高騰で再び注目を集めた。ピーク後の石油需給ギャップは急激に拡大し、世界全体での経済的・社会的・政治的な混乱や影響が懸念される。そのため脱石油を国家目標としたスウェーデンなど、ピークオイル説をエネルギー戦略に織り込んだ国もある。他方、エコノミストや従来の石油研究者からのピークオイル説への異論は根強い。石油生産が頭打ちなのは投資不足が原因とする批判と、技術進歩の役割を過小評価しているという批判の2つが主なもの。世界の6割の埋蔵量を占めるOPEC諸国のデータ不透明性がそのベースにある。ともあれ、従来の俗説である石油枯渇論や石油無限論とは異なって、地球温暖化対策も含めた脱石油依存型社会に向けた現実的な予防措置や危機管理が必要となるだろう。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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