20世紀日本人名事典 「原田伴彦」の解説
原田 伴彦
ハラダ トモヒコ
昭和期の日本史学者 大阪市立大学名誉教授;部落解放研究所初代理事長。
- 生年
- 大正6(1917)年3月11日
- 没年
- 昭和58(1983)年12月8日
- 出生地
- 旧満州・奉天(現・瀋陽)
- 出身地
- 佐賀県
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学文学部国史学科〔昭和14年〕卒
- 学位〔年〕
- 経済学博士(大阪市立大学)〔昭和37年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 松本治一郎賞〔昭和50年〕
- 経歴
- 国民新聞社記者となるが応召。昭和21年復員後、信陽新聞社論説委員を経て、27年大阪市立大学経済学部講師、29年助教授、34年教授、44年経済学部長、55年定年退職し名誉教授。のち八千代学院大学経済学部教授。この間、28年部落問題研究所理事、大阪市同和問題研究室理事を併任、43年部落解放研究所初代理事長となる。日本封建都市研究の第一人者。戦前は国民生活研究会に参加して皇国史観に対抗、戦後は奈良本辰也らとともに部落史に科学的研究のメスを入れ、中・近世都市史と部落史の基礎的研究で顕著な業績を残す。また部落差別撤廃の啓発運動、同和行政の推進に尽した。主著に「中世における都市の研究」「近世入会制度解体過程の研究」「日本封建都市研究」「日本封建制下の都市と社会」「近世村落の経済と社会」「関ケ原合戦前後」「茶道盛衰記」「入門部落の歴史」「被差別部落の歴史」「木曽・信濃路の魅力」などのほか、「原田伴彦著作集」(全7巻・別巻1 思文閣出版)、「原田伴彦論集」(全5巻 思文閣出版)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報