口角びらん、口唇炎(読み)こうかくびらん、こうしんえん(その他表記)Angular cheilitis or Cheilitis

六訂版 家庭医学大全科 「口角びらん、口唇炎」の解説

口角びらん、口唇炎
こうかくびらん、こうしんえん
Angular cheilitis or Cheilitis
(子どもの病気)

どんな病気か

 口角や口唇、口周囲に亀裂びらん痂皮(かひ)(かさぶた)ができ、時に出血します。

原因は何か

 乳児の場合、離乳食の成分が入ったよだれによる刺激が原因になったり、幼児学童の場合は唇を繰り返しなめたりすることで起こります。また、体調が悪く抵抗力の低下した時に、体内に潜むヘルペスウイルスが増殖して水疱(すいほう)を伴った口角炎を起こすことがあります。荒れた口唇に細菌感染を起こすこともあります。

症状の現れ方

 口唇、口角が赤くなり、口を大きく開けるとひび割れして出血します。これを繰り返すとじくじくし、痂皮ができてきます。やがて痂皮が取れて治ります。

治療の方法

 食事成分の混じったよだれによる場合は強くこすらずにこまめにふきとる、繰り返しなめることが原因の場合は注意してなめないように気をつけさせるなどして、自然に治るのを待ちます。

 乾燥してがさがさしている場合は、ワセリンなどの乾燥防止の軟膏を塗ります。

 ヘルペスが原因になっている場合は、アラセナA軟膏などの抗ウイルス薬が有効な場合もあります。細菌感染の場合は、抗生剤の軟膏を塗ります。

病気に気づいたらどうする

 発赤、出血、びらんが強い時や水疱を伴う場合は、医療機関を受診してください。

竹内 一夫

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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