デジタル大辞泉
「移る」の意味・読み・例文・類語
ゆつ・る【▽移る】
[動ラ四]経過する。うつる。
「天の原富士の柴山木の暗の時―・りなば逢はずかもあらむ」〈万・三三五五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うつ・る【移・遷】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- [ 一 ] 事物がある位置から他の位置に変わる。
- ① 物や人が別の場所に変わる。移転する。
- [初出の実例]「其地(そこ)より遷移(うつり)まして、竺紫(つくし)の岡田宮に一年坐しき」(出典:古事記(712)中)
- ② 官位、職務、職場が変わる。転任する。転属する。
- [初出の実例]「右大将の君、大納言に成給ひて、例の左にうつり給ひぬ」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)若菜下)
- ③ 権限や権力などのあり場所が他にかわる。
- ④ 人の気持や興味・関心・話題が、今までの対象から他の物、また、次の段階にかわる。他に転じる。また、ある物に心が引きつけられる。
- [初出の実例]「花みれば心さへにぞうつりける色には出でじ人もこそしれ〈凡河内躬恒〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春下・一〇四)
- 「話は不図(ふと)又昨夜の噂に転(ウツ)って」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後)
- ⑤ 色や香などが、他の物にしみつく。
- [初出の実例]「色ならば移ばかりも染めてまし思ふ心をえやは見せける〈紀貫之〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋二・六三一)
- 「優なる女の、姿、にほひ、人よりことなるが、わけ入りて膝にゐかかれば、にほひなどもうつるばかりなれば」(出典:徒然草(1331頃)二三八)
- ⑥ 病人に付いている物怪(もののけ)が、祈祷によって「よりまし」に付く。のりうつる。
- [初出の実例]「物のけ、小さきわらはにうつりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- ⑦ 病気が伝染する、火事が飛び火するなど、ある状態が他に伝わる。
- [初出の実例]「都の東南(たつみ)より火出(い)できて、〈略〉大学寮、民部省などにまでうつりて」(出典:方丈記(1212))
- 「此島の餓鬼も手を摺(する)月と花〈芭蕉〉 砂に暖(ぬくみ)のうつる青草〈野坡〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)下)
- ⑧ 蕉風俳諧の連句で、前句の情趣が後句に引き継がれたり、また対照、呼応したりする。〔俳諧・三冊子(1702)〕
- [ 二 ] 時間がたつ。時が経過する。
- [初出の実例]「たとひ時うつり、事さり、たのしびかなしびゆきかふとも」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
- [ 三 ] 物事がある状態から他の状態に変わる。
- ① 物事の状態、性質が変化する。変遷する。
- [初出の実例]「これの世は宇都利(ウツリ)去るとも常葉(とことは)に栄(さ)残り坐(いま)せ後の世のため又の世のため」(出典:仏足石歌(753頃))
- 「古往今来風俗の移(ウツ)る事は、桑田碧海ぢゃが」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
- ② 色があせる。色がさめる。
- [初出の実例]「花の色はうつりにけりないたづらに我身世にふるながめせしまに〈小野小町〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春下・一一三)
- ③ 花や葉が散る。しおれる。
- [初出の実例]「秋山にもみつ木の葉の移去者(うつりなば)更にや秋を見まくほりせむ」(出典:万葉集(8C後)八・一五一六)
- ④ 人が死ぬ。
- [初出の実例]「うつりし人の後世を、こまごまと弔(とぶら)ひなんどする人だにも」(出典:撰集抄(1250頃)四)
- ⑤ 次の段階、動作などに進む。
- [初出の実例]「かうと思ひこむと事情も顧みないで実行に移る質だ」(出典:星座(1922)〈有島武郎〉)
ゆつ・る【移】
- 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 うつる。多く、時間が経過する意に用いられる。
- [初出の実例]「松の葉に月は由移(ユつり)ぬ黄葉の過ぐれや君が逢はぬ夜そ多き」(出典:万葉集(8C後)四・六二三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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