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解析力学 かいせきりきがく analytical dynamics

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

解析力学
かいせきりきがく
analytical dynamics

ニュートン力学を一般座標を用いて記述し,数理解析を用いて力学系の一般的性質を数学的に論じる力学形式。一般座標を用いて表わされたラグランジュ関数,または一般座標と一般運動量を用いて表わされたハミルトン関数に対して,ハミルトンの原理を適用しラグランジュの運動方程式ハミルトン運動方程式 (正準方程式 ) が導かれる。

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百科事典マイペディアの解説

解析力学【かいせきりきがく】

物理学の一分野。ニュートン運動の法則に基づく力学を,個々の実例を離れて形式的に発展させて,より一般的な形式にまとめたもの。18世紀後半から19世紀にかけてJ.L.ラグランジュ,W.R.ハミルトンK.G.J.ヤコビらによって展開され,力学の構造を明らかにした。

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世界大百科事典 第2版の解説

かいせきりきがく【解析力学 analytical mechanics】

物理学の一分野。ニュートンの3法則に基づく力学を,個々の実例を離れたより一般的な形式にまとめたもの。18世紀後半から19世紀にかけてJ.ラグランジュ,W.ハミルトン,K.ヤコービらによって展開,確立され,相対性理論統計力学量子力学に対しそれらの理論構成に基本的な寄与を果たした。
[力学系の自由度一般化座標
 簡単な例として,質量m,電荷eの1個の荷電粒子に対する運動方程式,を考えると(xは粒子の位置ベクトル,tは時間,Eは電場,Bは磁場),これは粒子が電磁場(EB)の力を受けて一定の初期条件のもとに空間の中で描く軌道を決定する。

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大辞林 第三版の解説

かいせきりきがく【解析力学】

一般化座標と一般化運動量を導入し、一種の変分原理を基礎として展開された古典力学の体系。解析力学の形式は、量子力学に引き継がれその進展に重要な役割を果たした。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

解析力学
かいせきりきがく

力学の基本法則すなわち運動の法則に基づいて物体の運動を広く理解することを目的として体系化された物理学の一分科で、多くは数学的な形式をとっている。
 ニュートンの力学は、質点が力の作用を受けたとき、どのようにその運動量(速度×質量)が変わるかを与える。ニュートンは、その法則を彼の有名な著作『プリンキピア』のなかで詳しく述べたが、その叙述の方法は幾何学的であった。ニュートンの運動の法則から出発すると、質点の集まりである質点系に対してだけでなく、剛体や弾性体・流体などの連続体をも質点が無限個集まった系とみなすことによって、これらの系の運動方程式を導くことができる。その結果、質点と質点系および連続体のいずれの力学的な運動をも対象とする一般的な力学の体系ができあがってきた。『プリンキピア』と異なり、この一般的な力学の体系では、微分積分学の手法をおもに用いているため、解析力学とよばれている。電磁気学の法則も解析力学の運動方程式に書き換えることができるので、解析力学の完成は、ニュートンの運動の法則の単なる数学的一般化ではなく、質点と連続体および電磁場に対する一般的な法則の発見につながるものである。実際、解析力学の理論の形成には、光の伝播(でんぱ)の理論の形式が用いられている。[田中 一]

一般化座標と運動量

質点の速度に質量を掛けたものを運動量といい、pで表すことが多い。ニュートンの運動の第二法則、すなわち、質点の加速度に質点の質量を掛けたものが、外から加える力fに等しいという運動法則を、質点の座標xと運動量pで書き表せば、運動の第二法則は、質点の質量をまったく含まない形dp/dtfになる。いいかえれば、この形に書き換えた運動の第二法則は、質点の種類に無関係な形になる。この場合の座標と運動量という力学変数は、運動の法則を、質点の属性、すなわち質量に無関係な形にする特別な1組の力学変数である。ところで、解析力学の理論は一般的なものであるが、もしこの理論のなかに、個々の力学系の属性(たとえば質点の質量など)が表れていると、理論の一般性を失うことになる。以上のように、質点の座標や運動量に相当するものを、解析力学の対象とする力学系に対して一般的に定義することができる。これを一般化座標qrおよび一般化運動量prという。これらの力学変数は複数組あるのが普通であって、添え字をつけてこれらを区別する。
 座標xと運動量pとは、すでに述べたように特別の関係にある力学変数であるが、一般化座標qrと一般化運動量prとの間の関係も同様であって、これを互いに正準共役(きょうやく)な力学変数、または正準変数という。[田中 一]

ラグランジュ運動方程式とハミルトン運動方程式

どの力学系にも、力学系の全内容を示す物理量がある。解析力学ではこの種の物理量から一般的な運動方程式を導いている。力学系を実際に解く場合には、この種の物理量を力学系ごとに定まる関数で表し、それから導かれる解析力学の運動方程式を解けばよい。
 この種の関数にはラグランジュ関数Lとハミルトン関数Hとがある。ラグランジュ関数Lは、力学系の運動エネルギーTからポテンシャルエネルギーVを減じたTVを、一般化座標qrとその時間変化dqr/dtの関数として与えたものである。dqr/dtのことを簡単にrと書く。この場合の運動方程式をラグランジュの運動方程式といい、一般化座標の微分方程式となっている。
 これに対して、力学系のエネルギーTVを一般化座標qrと一般化運動量prで表現したものを、ハミルトン関数Hという。この場合の運動方程式はqrprの連立微分方程式の形をしており、ハミルトンの運動方程式という。正準共役な力学変数qrprとの間の特別な関係およびqrprの関数である任意の物理量(qrprを含む)の時間変化は、いずれも後述のポアソンの括弧(かっこ)式という量を用いて書き表すことができる。また、このときの関係式は、ポアソンの括弧式の定義を変えただけで量子力学にもそのまま成り立つ。このことは、すでに述べたように、解析力学では粒子とその集まりの系にも、また波動としての光にも同一の形式の運動方程式が成り立つこと、すなわち粒子と光の双方に共通する普遍的な法則が存在することを示していて興味深い。次にラグランジュの運動方程式とハミルトンの運動方程式を示しておく。
(1)ラグランジュの運動方程式

(2)ハミルトンの運動方程式

なお、FGとのポアソンの括弧式は、

正準共役な関係は、次の1組の式で
  (qr, pr)=1, (qr, ps)=0
  ただしr≠s
  (qr, qs)=0, (pr, ps)=0
  r, sは任意
また物理量Fの時間変化は(dF/dt)=(F, H)で表すことができる。[田中 一]
『小出昭一郎著『解析力学』(1983・岩波書店) ▽並木美喜雄著『解析力学』(1991・丸善) ▽山本義隆・中村孔一著『解析力学1・2』(1998・朝倉書店) ▽久保謙一著『解析力学』(2001・裳華房) ▽高橋康・柏太郎著『量子場を学ぶための場の解析力学入門』増補第2版(2005・講談社)』

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