ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
剛体
ごうたい
rigid body
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力が働いても変形することのない物体をいう。しかし剛体というのは物質の種類に直接関係しない。多くの固体は、その空間的な運動あるいはつり合いなどを研究するときは剛体として扱われるが、その変形を考察するときは剛体ではない。人体のようなものも、肢体を動かさない運動の研究に関しては剛体として扱われる場合がある。
剛体の運動は、その重心の運動と、重心の周りの回転運動とが合成されたものである。剛体のつり合いは次のように考えられる。剛体の1点に働く力がつり合うのは質点の場合と同様であるが、そのほかに、剛体は伸び縮みしないため、剛体の中の一つの線分の両端に、それと平行で互いに反対向きの大きさの等しい力を加えても、なんの影響もない。これを利用すれば、(1)力をその線上の他の点に移すことができる。(2)剛体の異なった2点に働く平行な力を一つの力に合成することができる。
このようにしても一つの力に合成できないのは、大きさが等しく平行で反対向きの二つの力であり、これを偶力という。偶力を一つの線分の両端に働くそれと垂直な二つの力で表したとき、線分の長さと力の大きさの積すなわち偶力のモーメントで特徴づけられる。結局、剛体のつり合いは、力とそのモーメントのつり合いで決めることができる。
こうしてみると、剛体とは、物体が運動やつり合いにおいてもつ性質の一側面を抽象したものであるということができる。さらに抽象化されたものが質点である。
[宮原将平]
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