デジタル大辞泉
「可変容量ダイオード」の意味・読み・例文・類語
かへんようりょう‐ダイオード〔カヘンヨウリヤウ‐〕【可変容量ダイオード】
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精選版 日本国語大辞典
「可変容量ダイオード」の意味・読み・例文・類語
かへんようりょう‐ダイオードカヘンヨウリャウ‥【可変容量ダイオード】
- 〘 名詞 〙 ( ダイオードは[英語] diode ) 半導体ダイオードの接合面に生じる静電容量は、ダイオードに加わる電圧の大きさによって変化するという性質を利用して作られた、電圧によって静電容量の変化するダイオード。バラクタ。
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可変容量ダイオード
かへんようりょうダイオード
variable capacitance diode
電圧によって電気容量が変化するダイオードで,バラクタ varactorとも呼ぶ。p型半導体とn型半導体を接合したダイオードにおいて電圧を印加しない場合,p-n接合面の近くではそれぞれの半導体から電子および正孔が拡散し合って中和し,可動電荷のない空乏層が形成される。可動電荷のある部分は金属のように導電体であり,可動電荷のない部分は絶縁体となることに注意すると,ダイオードは一種の容量 (コンデンサ) となっていると考えられる。さらに,このダイオードにp側が負にn側が正になるような電圧 (逆バイアス) を加えると,正孔は負電圧側に,電子は正電圧側に引寄せられ,空乏層が広がる。換言すれば,コンデンサとしての極板間の距離が増大するので,容量が減少する。つまり,ダイオードに加える直流バイアス電圧を変えることによって,その両端の容量を変えることができる。p型半導体あるいはn型半導体の不純物の濃度勾配を変えることによって種々の電圧-容量特性のものが得られる。このダイオードは,テレビやラジオの電子チューナや同調のずれを自動的に補正する自動周波数制御に用いられる。そのほか,周波数変調器,低雑音パラメトリック増幅器などの用途がある。
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「可変容量ダイオード」の意味・わかりやすい解説
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世界大百科事典(旧版)内の可変容量ダイオードの言及
【MISダイオード】より
…n型シリコンを用いてMOSダイオードを作成した場合,金属電極に正電圧を加えるとシリコン表面には電子が誘起されて蓄積層を形成するために,MOSダイオードのアドミタンスは二酸化シリコン膜をはさんだ平行平面コンデンサーとしてのキャパシタンスとなるが,金属電極に負電圧を加えるとシリコン表面は空乏化し,負電圧がさらに大きくなるとシリコン表面には反転層が形成されるので,キャパシタンスは小さくなり図2に示すようにキャパシタンスは電圧により変化する。したがって可変容量ダイオードとして使用されることもあるが,このキャパシタンスの電圧依存性から,シリコン基板と二酸化シリコン膜の界面でのキャリアの捕獲中心の状態密度分布を測定することができるので,評価用試料として使用されることが多い。【菅野 卓雄】。…
※「可変容量ダイオード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」