大学事典 「合衆国学生協会」の解説
合衆国学生協会
アメリカ合衆国で最も古く(1947年創設),最も規模の大きい(公称150万人以上)学生組合。1920~30年代にも全国的な学生組合は存在したが,第2次世界大戦時に解体。1946年プラハでの国際学生連盟(IUS)創設に参画した人々によって,ウィスコンシン大学マディソン校で発足したNational Student Association(NSA)が母体。1971年設立のNational Student Lobbyと78年に合併して現在の名称となる。発足時の「学生権利章典」で,大学内で学生が成人として尊重されるべきことを宣言。1948年に対立を乗り越えて,アフリカ系アメリカ人を会長に選任。50年代の中道路線は左右の政治勢力から批判を受ける。冷戦時代にIUSが完全に共産圏のものとなると,アメリカ政府がNSAの国際部を援助。60年代,70年代の学生運動,反戦運動全盛期に,その中心的な役割を果たす。その後も内部に対立を抱えながらも,女性やLGBT学生の権利保護など多様な活動によって組織を拡大。現在の会員には個人入会の会員と州単位の学生組織のメンバーとがあるが,後者の規模は予算ベースで5%以下である。本部は首都ワシントンにある。
著者: 舘 昭
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報