日本大百科全書(ニッポニカ) 「名犬ラッシー」の意味・わかりやすい解説
名犬ラッシー
めいけんらっしー
Lassie Come Home
アメリカの作家エリック・ナイトEric Knight(1897―1943)の代表作。ナイトはイギリスのヨークシャーに生まれ、幼くして父を失い、15歳でアメリカに移住するまでは母や兄弟と離れ離れの不幸な少年期を送った。『名犬ラッシー』(1940)は、作者がのちに家庭をもってペンシルベニアで農耕生活を始めた、人生のうちでもっとも幸福な時期に書かれたものである。ドライブで遠出した際に行方不明となったナイトの愛犬のコリー犬が、しばらくたってから長い道のりを旅して帰ってきたことがあり、この体験がもとになって、少年とその愛犬ラッシーの心温まる物語が生まれた。発表と同時に大評判となり、1943年にはハリウッドで映画化(邦題『家路』)され、テレビでは53年から7年間『名犬ラッシー』シリーズがつくられ、人気を集めた。
[八木田宜子]