(読み)はく

精選版 日本国語大辞典「吐」の解説

は・く【吐】

〘他カ五(四)〙
① 口の中の物を外へ出す。口中に含んだ物を勢いよく出す。
※漢書楊雄伝天暦二年点(948)「群歴火を吐(ハキ)鞭を施す」
② 胃の中のものを外へ出す。もどす。〔十巻本和抄(934頃)〕
③ ことばとして口から出す。しゃべる。語る。
※江談抄(1111頃)四「作者聞之彌久愁、後代臨終常吐怨詞
※日葡辞書(1603‐04)「クヮウゲンヲ faqu(ハク)
④ 内に籠めたものを外に出す。
※小学読本(1884)〈若林虎三郎〉三「黒煙を吐きて進航せり」

たぐ・る【吐】

〘自ラ四〙
① 口からはく。反吐(へど)をつく。
※書紀(720)神代上(兼方本)「口より吐(タクレル)物を以て敢へて我に養(か)ふ可(へ)けむ」
が出る。しわぶく。また、こみあげる。
※浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)二「お尋ねなくとも言ひたうて言ひたうて胸のたぐる折しも」
※物類称呼(1775)五「咳をせくと関東にていふを、関西にて、せきをたぐるといふ」

と‐・す【吐】

[1] 〘他サ変〙 はく。もどす。あげる。
※病名彙解(1686)一「噎膈(いっかく)〈略〉噎は食胸の上、咽の奥につかゑて下らずむせび吐(ト)するを云り」
[2] 〘他サ四〙 (一)に同じ。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「物を食して吐(ト)すものを膈といふは」

たぐり【吐】

〘名〙 (動詞「たぐる(吐)」の連用形の名詞化) 吐(は)くこと。また、吐いたもの。へど。
※古事記(712)上「多具理邇(タグリニ)〈此の四字は音を用ゐる〉生れる神の名は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のの言及

【漢字】より

… 吏読はハングル発明後にも李朝末期まで用いられた。また漢文を解釈する場合,日本の送仮名に類する吐というものを用いた。これには漢字をそのまま用いることもあるが,通例は漢字の略体を用い,その中には日本の片仮名によく似たものもあり,音・形ともにほとんど全く同じものもある(たとえば,タをtaに用いるがごとき)。…

【薛聡】より

…名僧元暁の子。儒学者として強首にやや遅れて活躍,新羅語を漢字で表す方法(後世の吏読(りと))を集成し,漢文を新羅語で読み解く方法(吐(と))を考案して経典を講釈するなど,中国学芸の摂取と儒学の発展に寄与した。また,官職は翰林をへて王の政治顧問役をにない,神文王(在位681‐692)に道徳規範の順守を説いた《諷王書(花王戒)》が伝わる。…

【吏読】より

…朝鮮で国字ハングルの創案(1443)以前に発達した漢字による朝鮮語の表記法のこと。吏道,吏吐,吏書などとも書く。広義には,漢字の音や訓を利用して行った朝鮮語表記の総称としても用いられ,三国時代の固有名詞や官職名の表記を含めていうこともあるが,狭義では,郷札(きようさつ),口訣(こうけつ)(後述)と区別して,朝鮮語の構文に従って書き下した一種の変体漢文で,漢字語に添加する朝鮮語を書き表したものをいう。…

※「吐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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