呑海寺(読み)どんかいじ

日本歴史地名大系 「呑海寺」の解説

呑海寺
どんかいじ

[現在地名]岡山市箕島

箕島みしまの西端にある。日蓮宗。如意山と号し、本尊は一塔両尊像。「延宝伝灯録」によると、京都建仁けんにん寺の乾峰士曇の法嗣霊岳法穆が延文三年(一三五八)以前に創建、文明一八年(一四八六)一二月の仏殿再興幹縁疏(蔗軒日録)には開山以来一五〇余年とある。同一七年四月、季弘大叔は嘉泰普灯録一部を当寺に寄付すべく申置いている(同書)

関ヶ原の戦後、箕島村などの領主となった旗本花房氏は領民に日蓮宗を強制し、領内の寺院改宗させた。そのとき当寺も改宗され、日仁をもって開祖とし山号を箕島山から如意山と改めたという。「備中誌」によると、当寺に伝わる古器古書類も数多くあったが、領主の改宗強要を憤った禅僧によってことごとく持出され、さらにその後の日蓮宗僧徒による禅宗の歴代墓所の破壊等により散逸してしまったと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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