唐子踊(読み)からこおどり

精選版 日本国語大辞典 「唐子踊」の意味・読み・例文・類語

からこ‐おどり‥をどり【唐子踊】

  1. 〘 名詞 〙 唐子扮装をして踊るおどり長崎諏訪神社祭礼などに行なわれる。ややこおどり。
    1. [初出の実例]「九月の七日九日は氏神殿の祭。本おどりいろからこおどりいろ、見事なことばん」(出典:浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐子踊」の意味・わかりやすい解説

唐子踊
からこおどり

岡山県瀬戸内市牛窓(うしまど)町紺浦(こんのうら)に伝わる舞楽風の踊り。10月第4日曜日(もと24日)の疫(やく)神社の秋祭に、青年たちの唐歌(からうた)にあわせて、唐装束(からしょうぞく)の7、8歳の童子たちにより踊られる。神功(じんぐう)皇后が三韓(さんかん)遠征からの帰りに、この地に立ち寄ったおりに舞をまわせて旅情を慰めたことに始まると伝えている。おそらく牛窓港が古くから栄えた開かれた良港であったため、韓国(からくに)から伝承し、稚児舞楽化したものかもしれない。唐歌は「サーチャーア ワーンエー ハアーエーヤンヤワ……」といった意味不明のもの。囃子(はやし)は小太鼓に笛。踊りは約10分間ほどのものであるが、童子2人によるゆったりしたテンポの異国風の美しい踊りである。綾浦(あやうら)の太刀(たち)踊とともに国の選択無形民俗文化財に指定される。

[萩原秀三郎]

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世界大百科事典(旧版)内の唐子踊の言及

【銅鑼】より

…歌舞伎で縁を打つときは細桴を用いる。盤の直径30cmくらいから大小あり,歌舞伎囃子,明清楽,民俗芸能,寄席などでも用いられるが,民俗芸能では長崎の唐子踊(からこおどり)(獅子舞),沖縄の打花鼓(たーふあーく)や獅子舞など中国的な芸能に使用することが多い。多数のいぼを打ち出した疣銅鑼(いぼどら)と呼ぶ小型のものもある。…

※「唐子踊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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