唐装束(読み)カラソウゾク

デジタル大辞泉 「唐装束」の意味・読み・例文・類語

から‐そうぞく〔‐サウゾク〕【唐装束】

からしょうぞく

から‐しょうぞく〔‐シヤウゾク〕【唐装束】

唐綾唐絹唐織物などで作った晴れの服装。からそうぞく。

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精選版 日本国語大辞典 「唐装束」の意味・読み・例文・類語

とう‐しょうぞくタウシャウゾク【唐装束】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 唐楽・高麗楽(こまがく)のような外国伝来の舞楽に用いる装束常装束別装束に分かれ、常装束とは鳥兜(とりかぶと)半臂(はんぴ)・下襲(したがさね)・表袴(うえのはかま)・赤大口(あかおおぐち)忘緒(わすれお)・石帯(せきたい)・襪(しとうず)糸鞋(いとぐつ)・踏懸(ふがけ)末広等のひとそろいをいい、別装束とは胡飲酒(こんじゅ)・秦王・玉樹等の装束のように特定の一曲に限って用いるものをいう。襲装束(かさねしょうぞく)。〔続教訓鈔(14C前か)〕
  3. からそうぞく(唐装束)

から‐そうぞく‥サウゾク【唐装束】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地質に唐綾を用いた装束。束帯の場合は一日晴(いちにちばれ)の際に用いる。からしょうぞく。
    1. [初出の実例]「太宮は、二重織物をりかさねられて侍し。皇大后宮は、そうじてから装束」(出典:大鏡(12C前)五)
  3. かさねしょうぞく(襲装束)

から‐しょうぞく‥シャウゾク【唐装束】

  1. 〘 名詞 〙からそうぞく(唐装束)
    1. [初出の実例]「十四五ばかりなるうつくしき童子の、うるはしく唐装束(カラシャウゾク)したるなり」(出典発心集(1216頃か)四)

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世界大百科事典(旧版)内の唐装束の言及

【十二単】より

… 十二単の構成は紅の袴をはき,単に袿を数領重ね,晴の行事には砧(きぬた)の上に置いて打って艶を出した絹で作られた打衣(うちぎぬ)を加え,さらに美しい袿の表着(うわぎ)を重ね,腰に裳をつけ,唐衣を着て檜扇(ひおうぎ)を持つ。晴装束として領巾(ひれ)と裙帯(くんたい)をつけ,髪上げして釵子(さいし)を挿した姿を唐装束とか物の具と呼んだ。領巾は紗や薄絹の長い肩かけ,裙帯は紕帯(そえおび)のことで腰の左右に長く垂らす飾りの細帯,釵子は簪(かんざし)。…

【舞楽装束】より

…日本の雅楽に用いる装束で,大別すると,日本古来の歌舞(うたまい)の舞人装束,管絃の装束,舞楽装束となり,一般にはこれらを総括して舞楽装束と称する。
[歌舞の舞人装束]
 歌舞とは,神楽(御神楽(みかぐら)),大和(倭)舞(やまとまい),東遊(あずまあそび),久米舞,風俗舞(ふぞくまい)(風俗),五節舞(ごせちのまい)など神道系祭式芸能である。〈御神楽〉に使用される〈人長舞(にんぢようまい)装束〉は,白地生精好(きせいごう)(精好)の裂地の束帯で,巻纓(けんえい∥まきえい),緌(おいかけ)の,赤大口(あかのおおくち)(大口),赤単衣(あかのひとえ),表袴(うえのはかま),下襲(したがさね),裾(きよ),半臂(はんぴ∥はんび),忘緒(わすれお),(ほう∥うえのきぬ)(闕腋袍(けつてきほう)――両脇を縫い合わせず開いたままのもの),石帯(せきたい),檜扇(ひおうぎ)(),帖紙(畳紙)(たとうがみ),(しやく)を用い,六位の黒塗銀金具の太刀を佩(は)き,糸鞋(しかい)(糸で編んだ(くつ))を履く。…

※「唐装束」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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