ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐賽児の乱」の意味・わかりやすい解説
唐賽児の乱
とうさいじのらん
Tang Sai-er; T`ang Sai-êrh
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中国、明(みん)代の1420年、山東に起こった農民反乱。唐賽児はその中心となった婦人指導者。彼女は蒲台(ほだい)県(山東省)の農民林三の妻で、若いころから仏教を信じ、自ら仏母と称した。夫の死後、その墓参の帰路、妖書(ようしょ)宝剣を手に入れ、また衣食、財物などを意のままにもたらし、未来を予言するなどの妖術をもって教えを広めたので数万の農民がこれに従った。明朝が彼女を逮捕させようとしたので、1420年ついに山東の益都(えきと)を中心に反乱を起こした。彼女は安遠侯柳升(りゅうしょう)に敗れ獄につながれたが、鎖が自然に解け、逃れ去ったともいわれ、結局、農民の間にかくまわれて行方不明のままとなった。
[谷口規矩雄]
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