唱言(読み)となえごと

精選版 日本国語大辞典 「唱言」の意味・読み・例文・類語

となえ‐ごととなへ‥【唱言】

  1. 〘 名詞 〙 となえることば。魔よけ、河童よけの呪言
    1. [初出の実例]「早天に起きて、彼(かの)となえごとを忘れ、案ずるをみて」(出典咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)

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改訂新版 世界大百科事典 「唱言」の意味・わかりやすい解説

唱言 (となえごと)

ことわざが人に用いられるのに対して,主に神仏精霊など目に見えないものに祈願したり呼びかけたりする定型的な文句をいう。集団で,とくに子どもが声をそろえて唱えるものが多く,意味もはっきりしている。信仰起源をもつ唱言が多いため,信仰の衰退に伴い数は減じてきているが,今でも年中行事や神事の中に残っている。節分の〈福は内,鬼は外〉は代表的な例で,小正月には〈なるか,ならぬか〉〈なります,なります〉という成木(なりき)責めの問答形式の唱言や〈朝鳥ホイホイ,夕鳥ホイホイ〉と唱えながら子どもたちが村を巡回する鳥追などがあり,盆の精霊送り雨乞いにも先祖水神に呼びかける唱言が使われる。子どもが体を痛めた時に,親が〈チチンプイプイ……〉と唱えるのも唱言とされ,また子どもが〈蛍来い〉とか〈明日天気になーれ〉と言う童言葉なども唱言に由来するといわれ,子どもの生活に結びついたものが多い。
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