唾石(読み)ダセキ(その他表記)salivary stone

デジタル大辞泉 「唾石」の意味・読み・例文・類語

だ‐せき【唾石】

唾液中の石灰分が固まってできた結石顎下腺がっかせん舌下腺ぜっかせんに多くできる。

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改訂新版 世界大百科事典 「唾石」の意味・わかりやすい解説

唾石 (だせき)
salivary stone

唾液中の石灰分が唾液腺に沈着して生じた結石で,顎下腺に最も多くみられ,耳下腺および舌下腺にはまれである。砂粒大~エンドウ豆大,球形ないし楕円形で,通常1個が多い。化学的組成リン酸カルシウム(約70%)と炭酸カルシウム(約10%),その他有機質である。これが一定の大きさになり唾液排出管に詰まると,食物摂取時に唾液腺部が痛んだり,はれたりする。これを唾石症という。治療は唾石の摘出によるが,唾液腺に炎症がある場合は,その唾液腺とともに摘出する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唾石」の意味・わかりやすい解説

唾石
だせき
salivary calculus

顎下腺や耳下腺の輸出管の中に石灰が沈着して生じた結石。小異物や細菌が核になることが多く,唾液のうっ滞や濃縮だけでは生成されない。顎下腺に最も多く生じ,食物摂取時の疝痛様の疼痛や唾液腺の腫脹が主症状である。結石は自然に排出されることもあるが,口腔内から切開して唾石を摘出したり,外切開により腺の全摘が必要となる場合が多い。

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百科事典マイペディア 「唾石」の意味・わかりやすい解説

唾石【だせき】

唾液腺の導管内にできる結石で,唾液中の石灰分が沈着したもの。顎下(がっか)腺に最も多く見られる。唾液の流出障害,唾液腺のはれ,痛みなどをきたす。治療は摘出手術。
→関連項目結石

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世界大百科事典(旧版)内の唾石の言及

【結石】より

…血清カルシウム値が上昇する疾患などでは,尿中のカルシウム量も増加し,結石が生じやすくなる。胆石や腎結石のほかに,唾液腺にできる唾石,膵臓の導管にできる膵石(膵石症),扁桃腺にできる扁桃石,腸の中で糞便といっしょにできる腸結石(糞石fecalith),および膀胱や前立腺にできる膀胱結石,前立腺結石などがまれにみられる。【長島 和郎】。…

※「唾石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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