唾飲城跡(読み)つのみじようあと

日本歴史地名大系 「唾飲城跡」の解説

唾飲城跡
つのみじようあと

[現在地名]長与町斉藤郷、時津町浜田郷

じよう(一一六・九メートル)に築かれた中世の城の跡。はまの城ともいう。戦国期に長与権之助が居城したとされる。天正一四年(一五八六)九月長与太郎左衛門純一は弟の純親の諫止をきかず、大村純忠に反して当城に立籠り、大村純常の率いる五〇人の兵による攻撃に対して城兵は鉄砲・石弓をもって防戦するものの、一六歳の大村純勝の攻撃で落城を強いられ、深堀純賢のもとに逃れたという。要害で攻略に困難なため喉が渇くので、梅干と叫んで唾呑みをしてその渇きを癒したので、唾飲城とよばれるという(大村家覚書)。純忠が南蛮船福田ふくだ(現長崎市)などの辺りに着岸させるため寄合を差遣わすので、長与より外浦津元までの道の整備を命ずるように依頼したり(年未詳五月二日「大村純忠書状写」福田文書)福田兼次・樒三郎左衛門らに「長与長崎早々可被懸付」と指示しているのは(年未詳八月六日「大村純忠書状写」同文書)、この前後のものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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