日本歴史地名大系 「嘉麻郡・嘉摩郡」の解説
嘉麻郡・嘉摩郡
かまぐん・かまぐん
- 福岡県:筑前国
- 嘉麻郡・嘉摩郡
〔古代〕
嘉麻郡と記される場合が多い。「延喜式」民部上、「和名抄」諸本に嘉麻とみえ、東急本・元和古活字本の訓「加万」から「かま」と読む。「日本書紀」安閑天皇二年五月九日条に筑紫に」とあり、大宰府史跡
」とあるほか、長岡京跡では「嘉麻郡米五斗 □(以下略)」の付札木簡(木簡研究一三)が確認されている。「続日本紀」宝亀元年(七七〇)七月一八日条には、白雉を得た「筑前国嘉麻郡人財部宇代」に爵二級が授けられ、稲五〇〇束が与えられたとある。延喜五年観世音寺資財帳に観世音寺(現太宰府市)の封戸二〇〇烟のうちの筑前国一〇〇烟中に「嘉麻郡五十烟 碓井郷」と記され、これは「新抄格勅符抄」に丙戌年(朱鳥元年、六八六)に施入されたと記される筑前国一〇〇戸の封戸(うち五〇戸は金生封)に由来する。前掲資財帳の水田章には、和銅四年(七一一)一〇月二五日の太政官符により施入された嘉麻郡の六町四段の熟田、および嘉麻郡の四町八段八六歩の墾田の記載があるが、庄所章の「長尾庄 有嘉麻郡 草葺屋参間」の部分は現
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報