四つ橋(読み)よつばし

日本歴史地名大系 「四つ橋」の解説

四つ橋
よつばし

長堀ながほり川と西横堀にしよこぼり川の交差する所に四方四つの橋を架け、この四橋を総称して四つ橋といった。江戸時代長堀川に架かっていた分は東から炭屋すみや(現南区南船場四丁目―同区北炭屋町)吉野屋よしのや(現西区新町一丁目―同区北堀江一丁目)西横堀川に架かっていた分は北から上繋かみつなぎ(現西区新町一丁目―南区南船場四丁目)・下繋橋(現西区北堀江一丁目―南区北炭屋町)といった(国立史料館蔵土屋家文書)。四つ橋は大坂名所の一つで俳句漢詩にも詠込まれ、また錦絵「浪花百景」のなかの一景にもとりあげられている。「摂津名所図会」に「四ツの橋の行人、漕ぎわたる船の往来もたえ間なくして風景斜ならず、ここに源蔵張とて煙管きせるの店あり、世に名高し、四ツ橋を以て煙管の銘とするなり」とあり、小西来山の「涼しさに四ツ橋を四ツわたりけり」を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四つ橋」の意味・わかりやすい解説

四つ橋
よつばし

大阪市西区東部の一地区。もと西横堀川と長堀川が交差していたところにかかっていた4つの橋の総称。西横堀川にかかる上繋 (かみつなぎ) 橋,下繋 (しもつなぎ) 橋,長堀川にかかる炭屋橋と吉野屋橋が井桁状にかかっている珍しさから,水都大阪の詩情あふれる名勝地として近世以来知られたが,第2次世界大戦後,堀は埋立てられて道路などになり,地名にのみその面影を残す。現在付近はビジネス街で,市立電気科学館,市消防局本部などがある。

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